My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その5)
十年ほど前に、別項でテクニクスのRS1500Uについて少しだけ書いている。
RS1500Uに投入されたアイソレートループ技術は、
それまでのオープンリールデッキの走行メカニズムとは違うことが、
視覚的にはっきりと、わかりやすく提示されていて、
そのころはオーディオ初心者だった私にも、それがいかに独創的であるかが伝わってきていた。
1976年にRS1500Uは発表されて、その頃読んでいた電波科学(だったはず)で、開発者による解説記事を読んでいる。
RS1500Uは、視覚的にもわかりやすかったし、それだけでなく、2トラック38cm/secモデルながら、4トラックに再生のみではあるが対応していた。
HI-FI STEREO GUIDE(1977年度版)のオープンリールデッキのページで、当時調べていたのは、録音再生は2トラック38cm/secモデルで、再生のみでいいから4トラックにも対応しているモデルが、あるのかどうか、どのくらいあるのかだった。
RS1500U以外にも、アカイのPro1000(398,000円)、デンオンのDH710F(439,000円)、オタリのMX5050シリーズ、ソニーのTC8750-2(550,000円)、ティアックのA7400シリーズなどがあった。
その中でもRS1500Uは他社とは違うテープ走行メカニズムとともバッテリー駆動も可能と、対応範囲の広いモデルと受け止めていたけれど、田舎暮らしの中学生は、RS1500Uを自分のモノとしたとしても、一体何に活用するのか、と考えると、うーんとなってしまう面もあった。
この時、東京に住んでいて、社会人になっていて車も所有していて、そうだったらRS1500Uは、ベストバイと感じていただろう。
現実は、そうではない。RS1500Uを持ち出して生録に行くこともないし、FMもNHK一局なのだから、何を録音するのか、となる。
FMが、それでもあるじゃないか、といわれそうだが、同じNHKの放送でも東京と地方とでは中継局が介在することで、当時の技術ではクォリティが低下していく。
オープンリールデッキのオーディオ機器としての魅力、特にメカニズムの魅力は感じながらも、もし買うとすればコンシューマーモデルの高級機ではなく、いっそのこと、プロ用のオープンリールデッキじゃないか、と買える買えないを抜きにして、そんなことを思っていた。