My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その4)
ステレオサウンド 43号の特集ベストバイで、オーディオ評論家が選ぶベストバイと読者が選ぶベストバイがあるわけだが、
パイオニアのRT701は読者の投票は(その3)で書いているとおり低かったが、オーディオ評論家の選定では、オープンリールデッキの中で、一番になっている。
井上卓也、大塚晋二、菅野沖彦、三井 啓の四氏が選んでいるのに対し、テクニクスのRS 1500Uは、大塚晋二、三井 啓の二氏。
中学生だった私は、この結果が興味深かった。
どうしてだろうとHI-FI STEREO GUIDE(1977年度版)を丹念に見ていくと、RS1500Uには外付け(別売)のバッテリーパックが用意されていて、単一乾電池を十六本直列接続しての24Vでの動作が可能になっていることに気づく。
RT710はAC100Vのみ。この点が、生録を積極的にやっていた人への大きなアピールとなったのだろう。
(その1)で例として挙げている機種も、生録のことを考慮して、荷物の個数としては一つ増えることになるが、一つ一つの重量を少しでも軽くしようと、トランスポート部とアンプ部を別筐体としている。
それでも電源はAC100Vだから、当時流行っていた蒸気機関車の生録には不向きとなる。
ソニー、ウーヘル、ナグラ、ステラヴォックスといったポータブル機は、もちろんバッテリー駆動ができたが、据置型のオープンリールデッキで、それが可能だったことが、読者投票での一位につながったように思える。
そのくらい、当時オープンリールデッキを購入する人の何割かは生録のためだったのだろう。