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Date: 9月 11th, 2008
Cate: ML2L, 瀬川冬樹

思い出した疑問

1980年のことだから、ずいぶん昔のことだが、そのとき、感じていた、ある疑問を思い出した。
ステレオサウンドの夏号(55号)のベストバイの特集(このころベストバイは夏号だった)で、
各筆者がそれぞれのマイベスト3をあげられている。 

瀬川先生が挙げられたのは、スピーカーはJBLの4343とL150とKEFのローコストモデル303、
コントロールアンプは、マークレビンソンのLNP2LとML6L、それにアキュフェーズのC240。
パワーアンプは、たしかアキュフェーズのP400に、マイケルソン&オースチンTVA1、
それにルボックスのA740だった(と記憶している)。 
プレーヤーはマイクロの糸ドライブ、エクスクルーシヴのP3とEMT930stだ。 

疑問に思っていたのは、パワーアンプのベスト3に、
なぜマークレビンソンのML2Lをあげられていないかだった。 
コントロールアンプではLNP2LとML6Lと、マークレビンソンの製品を2つあげられているし、
価格的に高価なものを除外されているわけでもないにも関わらず、ML2Lがない。 

このとき、以前愛用されていたSAEのMark2500は製造中止になり、
新シリーズに移行していたので、Mark2500がないのはわかる。 

ML2Lがないのはなぜ? 
当時理解できなかったこのことも、いまなら、ぼんやりとだがわかる。

Date: 9月 11th, 2008
Cate: Mark Levinson, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(その9)

2005年夏、ある人から、瀬川先生に関する話をきいた。

1981年(亡くなられた年)の春、 スイングジャーナルの組合せの取材でのこと。 
当時スイングジャーナルの編集部にいたその人が、 
取材前に、瀬川先生に組合せに必要な器材をたずねたところ、 
「スピーカーはアルテックの620Bを用意してほしい、 
アンプはマークレビンソンはもういい、 
マイケルソン&オースチンのTVA1とアキュフェーズのC240がいい、 
プレーヤーはエクスクルーシヴのP3を」ということだったとのこと。 

そして取材当日、620Bのレベルコントロールを、大胆に積極的にいじられたりしながら、
最終的に音をまとめ終わり、満足できる音が出たのか、 
「俺がほんとうに好きな音は、こういう音なのかもなぁ……」と 
ぽつりとつぶやかれた、ときいた。 

そのすこし前に使われていたのは、
JBLの4343に、 マークレビンソンのアンプのペア、
そしてアナログプレーヤーは、EMTの927DstかマイクロのRX5000+RY5500(それも二連仕様)。 

JBLの組合せとアルテックの組合せの違い、
表面的な違いではなく、本質に関わってくる違いを、どう受けとめるか。