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Date: 7月 15th, 2014
Cate: ワイドレンジ

ワイドレンジ考(その84)

タンノイのKingdom(現行製品のKingdom Royalではない)は、
いまでも気になるパワーアンプが新製品として登場してくると、
このアンプで鳴らしてみたら、どんな感じになるのか、とつい想像してしまうほどに、
いまも気になっているスピーカーシステムのひとつである。

このKingdomは、私にとってJBLにとっての4350という存在と重なってくる。
いわばタンノイにとっての4350的スピーカーシステムが、Kingdomとうつる。

そして私の中では、マーラーを聴くスピーカーシステムとして4350を筆頭にしたいというおもいが、
いまもあって、これはなにも私がマーラーを聴きはじめたころと密接に関係してのことだから、
4350がマーラーを聴くのに最適のスピーカーシステムだというつもりはない。

それでも私にとって4350の特質をもっとも引き出してくれると感じているのが、
4350と同時代に盛んに録音されるようになってきたマーラーの交響曲だと感じている。

このことはどの時代の録音でマーラーで聴くのか、
誰の指揮でマーラーを聴くのか、とも関係しているのだが、
新しいスピーカーシステムでマーラーを聴いた時に感じる何かが不足している、と思えてしまう。

それは見事な音で再生されればされるほど、その不足しているものが気になってくる。
それがJBLの4350にはあると感じられるし、タンノイのスピーカーシステムではKingdomということになる。

激情が伝わってくる音で私はマーラーを聴きたい、
それもワイドレンジの音で、
ということになるから4350、Kingdomがいつになっても私の中から消え去ることがない。