岩崎千明氏と瀬川冬樹氏のこと(その8)
岩崎先生の書かれたものをステレオサウンドなりスイングジャーナルに掲載されたときに読んできたわけではない、
ということは以前にも書いたとおりである。
そのことが、岩崎先生とライバル関係にあったのは、ジャズという共通項目だけで、
菅野先生がライバルだと思い込んできたことに、いま思うと関係している。
それこそ10年はやく生れていて、岩崎先生の文章が掲載されるオーディオ雑誌の発売を楽しみに待って読む、
という体験があったなら、岩崎先生とライバル関係にあったのは菅野先生だけではない、ということに、
もっとはやくに気がついていたはずだ。
菅野先生と瀬川先生はライバル、
岩崎先生と菅野先生はライバル、
瀬川先生と岩崎先生もライバル。
このライバル関係は三角形を形成する。
なんとおもしろい時代だったのか、と思う。
そして羨ましくも思う……。