re:code(その3)
黒田先生は、次のように書かれている。
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しかし、蓄音機=再生装置とは、いったいなにか。
蓄音機=再生装置は、機能の面でいうと一種の情報解読機である。レコード面の溝にきざまれている凹凸は、たとえ虫メガネでみようと、顕微鏡でみようと、なにがなんだか皆目わからない。レコードは、蓄音機=再生装置にかけてはじめて、レコードとしての意味をもつ。レコード面の溝にきざまれている凹凸という暗号を針先でこすって、そこから音をみちびきだす。そのことに限っていえば昔も今もさして変わらない。
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黒田先生は蓄音器=再生装置を、一種の情報解読機とされているし、
レコード面の溝にきざまれている凹凸という暗号、という表現も使われている。
情報解読機を暗号解読機ととらえても問題なかろう。
再生側のオーディオ機器は、暗号解読器であり、
録音側のオーディオ機器は、暗号生成器ということになる。
こう考えていくと、暗号はcode(コード)であるから、
オーディオにおけるレコード(record)とは、暗号を記録したモノであり、
その暗号を、オーディオ機器によって聴き手が、
別項「音を表現するということ」に書いているようにリモデリングして、
リレンダリングして、リプロデュースしていくと考えれば、その元となるレコードは、re:codeでもあるはずだ。
レコードをrecordでもあり、re:codeでもある、ととらえることで、
オーディオとは何モノなのかが、よりはっきりと浮び上ってくるのではないだろうか。