My Favorite Things(カセットデッキ篇・その6)
オーディオマニアの中には、ナカミチマニアもいる。
ナカミチに限らず、JBLマニアもいるし、他のブランドのマニアもいるが、
ナカミチマニアが、いちばん熱心というか、やや言葉は悪いが狂信的なマニアではないだろうか。
ナカミチの全機種を蒐集している人もいる。
同じ歳の友人Aさんも、ナカミチが好きだった。
彼はハタチごろ、秋葉原の光陽電気でアルバイトをしていた。
ナカミチからDragonが発売になっていた頃である。
彼はDragonが好きだった。もちろん自分でも購入していたし、お客にも熱心に勧めたそうだ。
個人でDragonを一番売った男とのこと。
Dragonに興味がある客、買いたそうな客はすぐにピンとくるそうだ。その人に熱心に説明する。
Dragon好きの男が、Dragonを好きになりそうな、好きな人を相手に声をかけるのだから、かなりの台数を売り上げたのもわかる。
フラッグシップモデルとして1000があり、その下に700。
一般的なコンポーネントのサイズのデッキとして500シリーズ、600シリーズがあり、
数字の型番から外れたモデルとしてDragonを出してきたナカミチ。充実したラインナップを形成していた。
Aさんは、Dragonをカッコいいと熱く語っていた。
私には理解できないものの、ナカミチはマニアを熱くさせる何かを持っていたのだろう。ナカミチマジックと呼んでいいのかもしれないし、
ナカミチマジックは、音の面でも言うことができた。
ナカミチのカセットデッキで録音したテープは、ナカミチのカセットデッキで再生する分には、
確かにいい音なのだが、ナカミチで録音したテープを他社製のカセットデッキで再生、
反対に他社製のカセットデッキで録音したテープをナカミチのカセットデッキで再生した音は、
意外なほど冴えない場合が多い。