シーメンス Eurodynと真空管OTLアンプ(その3)
オーディオ雑誌の組合せ記事では、現行製品同士の組合せがまず前提となる。
実際のオーディオマニアのシステムは、というと、
オーディオ雑誌の記事そのままと言える組合せの人もいるけれど、
オーディオのキャリアが長くなれば、いくつかの世代のオーディオ機器が集まり、
それらの機器での組合せが作られている。
古い世代のスピーカーに新しい世代のアンプ、
反対に新しい世代のスピーカーに古い世代のアンプ、と言った組合せがある。
前者の組合せでは、古い世代のアンプでは感じとれなかった魅力を、
発見することもあり、そう珍しいわけでもない。
今回のシーメンスのEurodynとアインシュタインのアンプの組合せは、
古い世代のスピーカーと新しい世代のアンプの組合せとなるわけだが、
Eurodynとアンプの時代の違いは、かなり大きい。
Eurodynの原型からするとほぼ半世紀ほどの開きがある。
古い世代のスピーカーと新しい世代のアンプの組合せは、
うまくいくこともあれば、そうでないことももちろんある。
同世代のアンプでは聴きとり難かった音が聴こえたら、
このスピーカーにはこんな良さ(魅力)があったのか、とかんじながらも、
どこかに、何となくではあるものの違和感的なものを感じたりすることもままある。
アインシュタインのアンプで鳴らすEurodynの音に違和感がない、
と書いたのは、そういうことである。
だからといって、その音に新しい発見や魅力を見出せなかったわけではない。