SAE Mark 2500がやって来た
三十分ほど前に、ヤフオク!で落札したSAEのMark 2500が届いた。
開梱して部屋に運び入れて、いま眺めているところ。
ヤフオク!の写真よりも、いい感じである。
四十年以上前に製造されたアンプとは思えないほど、くたびれた感じはしない。
もちろん最新のハイエンドのパワーアンプとは、造りが違う。
金属ブロックから削り出して、丁寧な処理がなされたいまどきのアンプを見慣れた目には、
大ざっぱなに感じられるところもある。
フロントパネルには、メーターのレンジ切り替え用、
入力アッテネーター用のプッシュボタンが並んでいる。
このボタンの感触などは、1970年代のアンプそのものだ。
いまのアンプに慣れてしまっている人には、安っぽいとか、精密さが足りないとか、
そんなふうにも感じられるだろう。
こういう造りのアンプを、いま新製品として出してきたら、
きっと叩かれることだろう。評価も低くなるだろう。
それでも、なんだろうか。
いまどきのリモコンの小さなボタンからすると、
Mark 2500のボタンは大きすぎるとなるだろうが、
少なくとも、このくらいの大きさのボタンだと押し間違えることもない。
こんなことをいうのは、老眼になったせい、といわれてもいい。
いまどきのアンプからは失われた、時代の匂いのようなものを感じている。
どちらが優れたアンプといった話ではない。
時代とともに喪失されていくものを再認識する機械であり、機会でもある。
ただ、そのことを思いながら書いている。
それにもうひとつ書いておきたいのは、
リアパネルに貼られているシールである。
そのシールには、“IMPORTED BY R.F. ENTERPRISES, LTD.”とある。
こんなところも、嬉しい世代なのだ。