Date: 6月 18th, 2021
Cate: 戻っていく感覚
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SAE Mark 2500がやって来る(その7)

ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’78」で、
瀬川先生が、JBLの4343を最高に鳴らすためのシステムを求めている読者に提示されているのが、
アナログプレーヤーはEMTの930st、コントロールアンプはマークレビンソンのLNP2、
パワーアンプがSAEのMark 2600だった。
     *
パワーアンプにSAEのMARK2600をもってきたことの理由の一つは、LNP2Lを通すと音がやや細い、シャープな感じになるんですが、このパワーアンプは音を少しふくらまして出すという性格をもっているからです。それを嫌う方がいらっしゃることは知っています。しかし私の貧しい経験でいえば、欧米のコンサートホールでクラシック音楽を聴いて、日本でいわれてきた、また信じてきたクラシック音楽の音のバランスよりも、低域がもっと豊かで、柔らかくて、厚みがある音がするということに気がつきました。そこでこのMARK2600というパワーアンプの音は、一般にいわれるような、低域がゆるんでいるとかふくらみすぎているのではなく、少なくともこれくらい豊かに低域が鳴るべきなんだと思うんですね。
     *
低音の量感の豊かさがあってこその音楽の美しさがある。
なのに量感豊かな低音というと、どちらかというと、ネガティヴに捉えている人がいる。

ピラミッド型のバランスと昔からいわれているが、
これも受けとり方が、人によってそうとうに違っていることを、これまで体験している。

ほんとうのピラミッド型のバランスと、もっと低音を豊かに出てこそ、と私は思っているが、
そうでない音を、ピラミッド型のバランスという人がいる。

ピラミッド型のバランスを三角形にたとえれば、
正三角形こそピラミッド型とすれば、
上の頂角が鋭角の二等辺三角形をピラミッド型としている人がいる。
つまり底辺が短い三角形である。

そういう人からすると、私がピラミッド型(正三角形)と関しているバランスは、
直角二等辺三角形くらいのイメージなのだろう。

SAEのMark 2500、2600の低音は豊かだが、ゆるいのか。
私はそんなふうに感じたことはない。

熊本のオーディオ店に瀬川先生が定期的に来られていたころ、
菅野先生録音の「THE DIALOGUE」に驚いたのは、
4343をMark 2500か2600で鳴らした音だったことが、
いまも強烈な印象として残っているからだ。

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