SAE Mark 2500がやって来る(その6)
SAEのMark 2500は、中学、高校時代、憧れのアンプだった。
だから、どういうアンプなのかを、できるかぎり知ろうとしていた。
当時はインターネットで回路図を検索する、なんてことはできなかったから、
たいした情報を得られたわけではなかった。
Mark 2500について、いくつかのことを知るようになったのは、
インターネットが普及して、Googleが登場してからである。
いまでは回路図も簡単に入手できる。
サービスマニュアル(といっても日本のメーカーのそれとは違って簡単なもの)も、そうだ。
内部の写真、プリント基板の写真も検索していけば、けっこう見つかる。
それらの資料をみながら、もしMark 2500を手に入れたら──、なんてことを想像していた。
今回、それが現実になる。
Mark 2500(2600も含めて)のことだが、
一部のオーディオマニアは、ジェームズ・ボンジョルノの設計だと信じきっている人が、
少なからずいるし、ヤフオク!に出品する際にも、ボンジョルノ設計としている人(店)がいる。
ボンジョルノの設計が、完全な間違いではない。
けれどボンジョルノがすべてを設計しているわけではなく、
あくまでも基本回路設計がボンジョルノによる、というべきだ。
このことも、(その4)でふれた知人もそうだった。
ボンジョルノの設計でしょ、と私に言ってきた。
思い込みはこわいもので、こまかく説明したけれど、なぜだか伝わらない。
この人には、何をいっても伝わらない、と思うようにした。
確かにMark 2500とGASのAMPZiLLAの回路図を比較してみると、
ボンジョルノということをまったく知らなくても、同じ人の設計か、と思うほどには似ている。
特に出力段の回路構成は、ボンジョルノの設計だ、といわれれば、
うっかり信じてしまうほどに、同じであり、特徴的でもある。
Ampzilla 2000のウェブサイトに以前、こう書いてあった。
SAE(Scientific Audio Electronics)
The following products continued to use my circuit topology:
2200, 2300, 2400,2500,2600
ボンジョルノがSAEで設計したといっているのは、これらより以前のアンプである。
こうやって書いていっても、
Mark 2500の設計はボンジョルノと言っている人たちは、変らない。