ECHOES(その3)
オーディオマニアといっても、
世代によって聴きふけった音は違う。
世代が同じであっても、人によっても、
聴きふけった音は、また違っている。
それぞれに聴きふけった音があるはずだ。
そんなものない、というオーディオマニアもいるかもしれないが、
そういう人はオーディオマニアなのだろうか、と思う。
聴きふけった音に、その時その時で美を感じていたはずである。
少なくとも私はそうである。
多くのオーディオマニアでそうである、と信じたい。
その時その時に感じた美を、すっかり忘れてしまっている人もいれば、
そうでない人もいる。
どちらがいいなどとはいいたくない。
ただ、オーディオマニアとはいい音で音楽を聴く人のことではない、
と最近強く思うようになった。
その時その時に感じた音の美を、いまも忘れずに、
それだけでなく守っていける人がオーディオマニアなのだ、と思うようになったからだ。