アンチテーゼとしての「音」(iPhone+218・その4)
MQAを開発したボブ・スチュアートによれば、
MQAをもっともよく再生するD/Aコンバーターは、
いうまでもなくメリディアンのULTRA DACである。
二番目はMSBテクノロジーの非常に高価な製品。
三番目は、というと、意外にもLG電子のLV30である。
LV30? どんなD/Aコンバーターなんだろう、と思われるだろうが、
LV30は、十万円以下で買えるスマートフォンである。
2019年のOTOTENでのMQAのイベントでのボブ・スチュアートが語ったことだ。
音を追求していった結果に、
大きくなってしまったオーディオ機器は、いくつもある。
けれど大きなオーディオ機器の場合、往々にして信号経路も長くなってしまう傾向にある。
一方で小型化をめざした製品の場合、信号経路はかなり短縮される。
その結果として、音質面での改善もある、と考えられる。
大きいから音がよい──、ということが成り立つと仮定したとして、
だからといって小さいから音が悪い、とはいえない。
D/Aコンバーターにかぎっても、CHORDのMojo、
メリディアンの218などを聴くと、小型ゆえ、といいたくなるところを感じないでもない。
LV30はまだ聴いていないが、
スマートフォンなんだろう……、そんなモノで音楽が聴けるか、
と切り捨てる人もいようが、
MQAに音の良さを感じている人ならば、
ボブ・スチュアートが、三番目にLV30を挙げているのだから、
そのことに素直に耳を傾けたい。
LV30もいいとして、手元に218がある。
iPhoneもある。
まずこの組合せで聴いてみることにした。