2,500,000円と125,000円(その10)
私が、購入したオーディオ機器にまったく手を加えないタイプであったなら、
CDプレーヤーをアキュフェーズのDP70かスチューダーのA727、
どちらを採るかは、そうとうに迷ったことだろうか。
でも、DP70とA727を比較試聴している時には、
手を加えることも考えていた。
その上での、両機種の可能性を考慮しながらの試聴であった。
つまりそれまでにもCDプレーヤーに手を加えてきた。
それがあるからこそ、
いまそこで感じている不満点は、
どうにかできるという自信があったうえでのA727という選択だった。
だからといってA727を購入後すぐに手を加えたわけではない。
じっくり聴いて、ある程度の期間が過ぎてから、である。
一度目をやって、
A727と同じピックアップメカニズム、デジタルフィルター、D/Aコンバーターを採用した、
別メーカーのCDプレーヤーを別途購入して、
二度目のために、徹底的に、このCDプレーヤーに手を加えていった。
これはもう実験だった。
最終的にはトレイも外してしまった。
実験用だったため、元に戻せなくなるまで手を加えた。
その上で、A727に二度目の手を加えたわけだ。
もちろん、二度目も完全に元に戻せることを絶対条件とした。
DP70ではなくA727にしてよかった、と二度目の手を加えたA727の音を聴いて、そう思えた。
念のためいっておくが、DP70よりも、製品としてA727がすべての点で優れているわけではない。
何を優先順位とするかによって、DP70も選ばれるはずだ。
私は、DP70との比較試聴で、A727の可能性を、DP70のそれよりも高く評価した。
そして、A727の可能性は、私が期待した以上でもあった。