現代スピーカー考(その36)
この項は、このブログを書き始めたころは熱心に書いていたのに、
(その35)を書いたのは、三年半ほど前。
ふと思いだし、また書き始めたのは、
ステレオサウンド 207号の特集が「ベストバイ・スピーカー上位49モデルの音質テスト」だからだ。
ステレオサウンドでの前回のスピーカーシステムの総テストは187号で、五年前。
ひさびさのスピーカーシステムの総テストであるし、
私もひさびさに買ったステレオサウンドだった。
49機種のスピーカーシステムの、もっとも安いモノはエラックのFS267で、
420,000円(価格はいずれもペア)。
もっとも高いモノは、YGアコースティクスのHailey 1.2の5,900,000円である。
どことなく似ているな、と感じるスピーカーシステムもあれば、
はっきりと個性的なスピーカーシステムもある。
使用ユニットもコーン型は当然として、ドーム型、リボン型、ホーン型、
コンデンサー型などがあるし、
ピストニックモーションが主流だが、ベンディングウェーブのスピーカーもある。
これら49機種のスピーカーシステムは、
いずれも半年前のステレオサウンドの特集ベストバイの上位機種ということだから、
人気も評価も高いスピーカーシステムといえる。
その意味では、すべてが現代スピーカーといえるのか、と思うわけだ。
いったい現代スピーカーとは、どういうものなのか。
それをこの項では書こうとしていたわけだが、過去のスピーカーシステムをふり返って、
あの時代、あのスピーカーは確かに現代スピーカーだった、といえても、
現行製品を眺めて、さぁ、どれが現代スピーカーで、そうでないのか、ということになると、
なかなか難しいと感じている。