マーラーの第九(Heart of Darkness・その8)
12月6日のaudio wednesdayから10日経った。
今日も、気がつくとマーラーの二番の第一楽章を口ずさんでいる。
これまでだってマーラーの音楽は数え切れないほど聴いてきている。
聴いた直後はそういうこともあったが、10日経っても……、ということは今回が初めてだ。
口ずさみながら、いくつかのことを思い出す。
ステレオサウンドの試聴室で聴いたマーラーのことなどを思い出す。
最初にステレオサウンドの試聴室で聴いたマーラーは、
ハインツ・レーグナーの第六番だった。
ドイツ・シャルプラッテンから出ていた。
1981年録音で、1982年に聴いている。
まだベルリンの壁があった時代で、
ドイツ・シャルプラッテンは東ドイツのレコード会社だった。
デジタル録音だった。
まだCDが登場する数ヵ月の前のことだから、LPだった。
その数年後のインバルのマーラーほど回数を聴いたわけではなかったが、
一楽章の途中までとはいえ、くり返しくり返し何度も聴いたマーラーだった。
自分でもマーラーのディスクは、少しずつ買い始めたころだった。
まだ九曲すべてのレコードを持ってはいなかった。
六番はまだだった。
レーグナーのディスクは試聴室にあるわけだから、
聴きたければ、最後まで聴けたわけだが、
一楽章は最後まで聴いたことが一度あるが、
二楽章以降は聴いていない。
私が最初に買った六番は、テンシュテットのLPだった。