トーンコントロール(その2)
3バンドのアンプということで最初に思い浮べるのは、
私の場合は、やはりマークレビンソンのLNP2であり、
次に浮ぶのはマランツのプリメインアンプである。
といっても1970年代のマランツであり、
アメリカで設計して日本で製造していたころのプリメインアンプ、
コントロールアンプは3バンドのトーンコントロールを装備していた。
Model 1070(69,900円)でも、トーンコントロールは3バンドだった。
型番が四桁時代のアンプのすべてが3バンドだったわけではないが、
それでも四桁型番のマランツのアンプといえば、
私にとっては3バンドのトーンコントロールと、テープ入出力の充実ぶりが、
まず特徴として浮ぶほどに印象に残っている。
1070の上級機のModel 1150 MKII(129,000円)、
Model 1250(195,000円)も3バンドで、しかも左右独立コントロールになっている。
この時代のマランツは日米ハーフだった。
純国産のアンプで3バンドのトーンコントロールといえば、サンスイのアンプだ。
こちらはブラックパネルと3バンドのトーンコントロールが、
特徴としてすぐに頭に浮ぶほどだ。
プリメインアンプもコントロールアンプも3バンドなのは、マランツと同じである。
AU888、AU5900(53,000円)、AU6900(65,000円)、AU7900(85,000円)、
AU9900(140,000円)、AU10000(148,000円)、
AU11000(180,000円)、AU20000(280,000)などのプリメインアンプが、
3バンド仕様になっていた。
不思議なのはマランツのプリメインアンプのトップモデル、
Model 1200B(325,000円)は2バンド仕様ということ。
設計時期の違いによるものなのか。
サンスイのプリメインアンプは、上記モデルのあとに登場したAU607、AU707、
そしてダイヤモンド差動回路を搭載したAU-D907、AU-D707、AU-D607が、
ベストセラーモデルになるわけだが、トーンコントロールは2バンド仕様になっていた。
AU-D907 Limitedは使っていた。
そのころはまだ3バンドのトーンコントロールを使ったことがなかったから、
2バンドであることに特に不満も疑問も感じなかったが、
のちにLNP2の3バンドのトーンコントロールにふれて、
なぜサンスイは3バンドのトーンコントロールをやめたのか、と思うようになった。