Date: 11月 27th, 2015
Cate: 川崎和男
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KK塾(二回目)

KK塾、二回目の講師は、生田幸士氏。

生田氏の高校生時代のエピソードに、スタートレックのことが出て来た。
スタートレックのテレビシリーズを見ていた人ならば説明はいらないだろうが、
艦長のカークと副長のスポックは、たびたび異星に降りたつ。

エンタープライズ号のトップのふたりが、艦を離れてしまうことがたびたびある。

いまHuluでザ・ラストシップが毎週火曜日に一本ずつ公開されている。
ザ・ラストシップは面白い。
毎週火曜日が楽しみなくらいである。

今週の火曜日に公開されたエピソードを見て気づいたのは、
ザ・ラストシップとスタートレックは似ている、ということ。

スタートレックは宇宙戦艦、ザ・ラストシップは駆逐艦、
スタートレックは宇宙、ザ・ラストシップは海が舞台である。

スタートレックでは異星に降りたつ、ザ・ラストシップでは陸上に降りたつシーンもあるが、
メインとなるのは艦内という、いわば閉じられた空間での出来事という共通性を感じる。

ただザ・ラストシップでは艦長と副長のふたりともが艦を離れることはない。
艦長が交渉のため止むを得ず艦を離れた時には、副長が艦に残っている。
艦長はよほどのことがないかぎり艦を離れるものではないし、
まして副長とともに離れることはあってはならないこと。

今週火曜日にそのことに気づいたばかりだったから、
生田氏のスタートレックの話を聞きながら、2011年3月11日のことを思い出していた。

この日、東京電力の会長は中国に、社長は関西方面に出かけていて、
東京電力のトップふたりは会社という艦から離れていた。
どちらかひとりは必ず残っているべきである。

生田氏は高校の文化祭のリーダーだったときに、
必要だったススキを刈りに学校を離れて戻ってきたら、先生に叱られてしまった。
その時に、スタートレックでは、カートとスポックのふたりが艦を離れてしまう、
と反論したところは、それはテレビの話であり、リーダーは現場を離れてはいけない、
何かあったときにリーダー不在ではあってはいけないからだ、と、
また先生に叱られたということだった。

あの時の東京電力の会長と社長が、
どんな学校を卒業してきたのか知らないし、調べようとも思わない。
偏差値の高い学校なのだろう、とは思う。
優秀な人たちなんだろうとも思う。

だから東京電力という会社のトップになれたのだろう。
けれど、このふたりには、
生田氏の高校時代の先生の存在がいなかったのだろう、とも強く思う。

数日前に、石積みのことを書いたばかりということもあって、
教育も石積みだと思っていた。
大きな石だけでは積んでいくことはできない。
小さな石も中くらいの石も必要になってくる。

文化祭でのエピソードは、いわば小さな石かもしれない。
でも、この小さな石がなければ石垣は、空積みの石垣は崩れてしまう。

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