オーディオにおけるジャーナリズム(タキトゥスの時代から……)
《真実は調査に時間をかける事によって正しさが確認され、
偽りは不確かな情報を性急に信じる事によって鵜呑みにされる。》
タキトゥスの言葉だ。
タキトゥスが生きていた時代からずっとそうだったのか、と思ってしまう。
《新たな情報を得たときには、確認という聖なる儀式が済むまで鵜呑みにしてはならない。》
ヴォルテールも同じことを言っている。
いつの時代も、どの国でも変っていない。
タキトゥスの時代よりもヴォルテールの時代の方が情報の伝達は速かった。
ヴォルテールの時代よりも現代はもっともっと速くなっている。
速くなればなるほど比例して量も増えていく。
現代はヴォルテールの時代よりも、タキトゥスの時代よりも、
鵜呑みにしてしまう時代ともいえる。
オーディオ雑誌、つまり出版物は、
どんなにがんばってもインターネットのレスポンスには到底かなわない。
だからこそ、時間をかけ正しさを確認していくことが、その役目といえるのだが……。