BBCモニター、復権か(その4)
1983年にステレオサウンドからTHE BRITISH SOUNDという別冊が出た。
この本に岡先生によるBBCモニター物語という記事がある。
この中で、岡先生が書かれている。
《BBCモニターのことを書くべき最適任者は、故瀬川冬樹さんだったと思う》と。
BBCモニターに関心のある人の多く(すべてといっていい)が、首肯いたことだろう。
瀬川先生によるBBCモニター物語、
きっと瀬川先生自身も書きたいと思われていただろうだけに、
読みたかった……、という気持は募る。
岡先生はBBCモニター物語を書くにあたり、
ステレオサウンド編集部から、瀬川先生が渡英の際に入手されたいくつかの資料を借覧されている。
その瀬川資料の中に、BBCモニターの型番のクラシフィケーションの説明があり、
その資料を元に岡先生がLSナンバーの区分について書かれている。
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●LS1/ アッセンブルされたラウドスピーカーで、用途は種主あるが主力にはなっていない(現用正式モデルではない)。
●LS2/ シャーシ・ユニットのみのもの。
●LS3/ アッセンブルされたスピーカー(主として外録その他に使用される。可搬性をもつ小型のもの)。
●LS5/ アッセンブルされたスピーカー(スタジオ用)。
将来は、LS1/、LS2/、LS5/のクラシフィケーションを用いることになり、外録用のLS3/シリーズもLS5/のコード番号のなかに組み込まれることになる、という注記がある。
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LS5/9は20cm口径のウーファーとソフトドーム型トゥイーター、
エンクロージュアの外形寸法はW36.0×H55.0×D36.0cm。
本来ならばLS3/8という型番がついても不思議ではないし、
むしろ、その方が、このスピーカーシステムの性格をはっきりとさせると思うのだが、
岡先生が書かれているとおり、LS3/シリーズはLS5/シリーズに組み込まれたことがわかる。