Date: 8月 10th, 2010
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その8)

ロジャースのLS3/5Aを知るきっかけであった「コンポーネントステレオの世界 ’77」が出たのが1976年12月、
ステレオサウンド 43号は半年後の’77年6月。

こんなわずかな期間で、LS3/5Aに対する印象がなんとはなくであっても、
私の中にできたのは、やはり「コンポーネントステレオの世界 ’77」の写真のおかげだと思う。

この本の表紙は、ステレオサウンド本誌と同じ安齊吉三郎氏。
対して本文の組合せの集合写真は、亀井良雄氏。

「コンポーネントステレオの世界」の’77年版と’78年版をお持ちの方は、
組合せの集合写真を見比べてほしい(どちらも亀井氏の撮影)。
’78年のほうはスタジオでの撮影に対して、’77年は、ステレオサウンドの試聴室での撮影である。
当時はそんなことには気がつかなかったが、ステレオサウンドで働くようになって、あれっ? と気がついたし、
あの部屋で、よくこれだけの写真を撮影できるものだと、つくる側になってはじめて感じたものだった。

いまは知りたいことがあったらインターネットの普及のおかげで、得られる情報量だけは多い。
でも当時は、ほとんど、この「コンポーネントステレオの世界」だけから、だった。

もちろん何度かくり返し読んだ。それだけでなく、本文の写真をじっくり眺めていた。
とにかく一冊の本から、どれだけ多くのことを得るかは、オーディオの初心者であれば、
くり返し、じっくり時間をかけることにかかっている。

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