なぜ逆相にしたのか(その8)
昔ながらのホーンがコンプレッションドライバーの前につくことで、
スロート近辺の空気圧はひじょうに高いものになっているといわれる。
つまり、この圧力分だけ振動板が前に動くためにエネルギーが、まず必要になってくる。
圧力をこえるエネルギーに達するまで振動板は動かないのではないだろうか。
たとえば指をはじくとき、人さし指を親指でおさえる。
そして人さし指に十分な力を加えていって解放することで、人さし指は勢いよく動く。
親指での抑えがなければ、人さし指はすぐに動くものの、そのスピードは遅くなる。
いわば親指によって人さし指にエネルギーが溜められていた。
この「溜め」こそが、ホーン型スピーカーの魅力のひとつになっているように、
以前から感じていたし、そんなふうに考えていた。
溜めがあるからこそ、次の動作(つまり振動板が前に動くの)は早くなる。立上りにすぐれる。
これが逆相になっていたらどうなるだろうか。