アナログプレーヤーの設置・調整(その22)
どういう人ならば、アナログプレーヤーを使いこなしているのか。
キャリアが長い人なのか、
名器といわれるアナログプレーヤーを使っている人なのか、
これまで多くのアナログプレーヤーを使ってきた人なのか、
いくつものカートリッジを持っている人なのか──。
どれもあてにはならない。
キャリアの長い人でも実にいい加減な使い方をしている人はいる。
キャリアが短くともきちんと使っている人もいる。
音がいいといわれているプレーヤーを使っていても、
世評の高いカートリッジをいくつも持っていても、使いこなしのできていない人はいる。
それほど高価なプレーヤーでなくとも、きちんと使いこなしている人だっている。
人さまざまであり、こういう人ならば、アナログプレーヤーを使いこなしているということは、
確実なことは何も言えない。
数年前のインターナショナルオーディオショウでも、
あるオーディオ評論家の人(私よりもひとまわりくらい上)が、あるブースでLPをかけていた。
アナログプレーヤーの操作はそのブースのスタッフにまかせずにやられていたのだが、
そのおぼつかないことといったら──、自覚がないのだろうか。
私は瀬川先生がレコードをかけかえられるところを何度も何度も見詰めてきた。
レコードはこうかけるもの、ということをそこで学んできた。
いま、こういう人がほとんどいないように見受けられる。