オーディオ機器を選ぶということ(その4)
ステレオサウンド 45号に載っている田中一光先生のリスニングルーム。
五味先生のタンノイ・オートグラフに憧れるのは、別の意味で、一目見た瞬間から、「憧れ」となった。
スピーカーシステムは、JBLのハークネス。
木目を生し、部屋全体の色調も茶色、それにカーペットの白という暖かい雰囲気にまとめられていて、
それでいてすっきりとしていた。
ハークネスのあいだには、同じ高さになるようにつくられた木製の机。
一分の隙もなく、ぴったりと収まっている。
椅子は、ハンス・ウェグナーのモノ。これもハークネスと机、それに部屋の雰囲気によく合っている。
ちなみにソファーは、アルフレックスのDECA、テーブルはエアボーン。
しかもハークネスは、左右対称の環境にレイアウトされている。
45号は1977年12月発行。このとき、私は14歳。
正直、「田中一光? どんな人だろう……」だった。
作品についても、まったく知らなかった。
それでも、このリスニングルームを見れば、すごいデザイナーであることは、即座にわかった。
14歳の若造(小僧)にもわかるくらいの、見事なリスニングルームだった。