マルチアンプのすすめ(その15)
ロジャースのPM510を鳴らしていた。
PM510は30cm口径のポリプロピレン振動板のウーファーとソフトドーム型トゥイーターからなる2ウェイ。
同じユニット、エンクロージュアでバイアンプ駆動仕様のLS5/8がある。
LS5/8はQUADの405にディヴァイディングネットワークを内蔵した仕様。
LS5/8は一度聴いたことがある。
PM510との直接比較ではなかったけれど、
私はPM510の方が好きだった。
PM510に感じている音の魅力が、LS5/8では薄れている気がした。
もっともPM510をQUADの405で鳴らした音と比較すればマルチアンプ(バイアンプ)のLS5/8の良さを、
はっきりと認識できたのかもしれないが、
ネットワーク仕様のPM510を、さまざまなパワーアンプで鳴らした音を比較するかぎりは、
私にとってはPM510の方だということになる。
PM510は満点のスピーカーシステムではない。
欠点もいくつもある。
でも、その欠点の裏返しが、私にとって魅力ともなっていることはわかっていたし、
PM510をよりよく鳴らすためにマルチアンプ化することは、
私にとって必ずしも音が良くなった、とは感じない可能性があるようにも考えていた。
PM510についても、一度もマルチアンプで鳴らそうと考えたことはなかった。