Date: 4月 6th, 2010
Cate: オーディオ評論
Tags:

オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(その3・続×五 補足)

「Don’t think. Feel!」
これは、ブルース・リーの有名なセリフ。

「考えるな、感じろ!」は、オーディオにおける観察にも、そのままあてはまる。

井上先生がよく言われていたのは、
「頭で聴いている人を、音でひっかけるのは、別に難しいことでもなんでもない」

音は耳で聴くものだが、先入観をもって聴いている人をさして、「頭で聴いている人」という。
どんなにオーディオのキャリアのある人でも、うまく先入観をもたせることができたら、
その人の耳を騙そうと思えば、わりと簡単に騙せるわけだ。

わずかばかりの先入観によって、
いま鳴っている音、観察すべき対象を正しく感じとれなくなる危険性がある。

だから「Don’t think. Feel!」を私なりに訳すとしたら、
「まず感じろ、考えるのはそれからだ」としたい。

とにかく感じとることから、はじまる。

感じとる力(感応力)がない人は、技術書に活字として載っていることのみが、
事実となり、己で事実を感じとることができなくなるのだろう。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]