Date: 4月 6th, 2010
Cate: 井上卓也
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井上卓也氏のこと(その30)

ならば、最初から、同軸型のスピーカーケーブルを逆使いにすればいいだろう、
と思われる方もおられるだろう。

でも、決して井上先生は、最初から逆使いにされることはなかった。
最初は指定どおりの使い方、芯線をプラス、シールドをマイナス側にされて、
チューニングをすすめて、かなりのところまできた段階で、最後の詰的な意味合いで、
「変えてみろ」と指示を出される。

こちらも何をすべきかわかっているので、この言葉だけで、
スピーカーケーブルの接続を逆使いに変える。

このときの音の変化を確かめられて、満足されたような顔をされたあと、
ほんの少し、最後の詰を行なわれて、
たいていの場合、ステレオサウンドの試聴室でのチューニングは終ることが多かった。

それからもうひとつ言っておきたいのが、どんなスピーカーシステムにでも、
同軸型ケーブルを使われるわけではなかった。

チューニングの途中で、指示を出され、通常の平行型のスピーカーケーブルから変えることになる。

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