「オーディスト」という言葉に対して(その1)
昨年の8月13日に、
「オーディオにおけるジャーナリズム(無関心だったことの反省)」というタイトルで書いている。
リンク先を読んでいただければわかるように、詳細についてはあえて書かなかった。
言葉狩りが目的ではなかったし、その言葉が使われなくなるのであれば、
それに私自身もその言葉を最初見た時に無関心であった──そのことへの反省もあった──、
そして、もうその言葉をそのオーディオ雑誌で見かけることは今後ないという保証に近いこともあったため、である。
他のオーディオ雑誌ではときどき使われていた(掲載されていた)、
その言葉は少なくともステレオサウンドの誌面には登場することはなかった。
だから、「オーディオにおけるジャーナリズム(無関心だったことの反省)」については、
もう書くこともないだろう、と思えていた。
けれど、いま書店に並んでいるステレオサウンド 186号に、その言葉が載っている。
「オーディスト」という、山口孝氏による、いわば造語としての「オーディスト」が、
編集部による記事ではなく、広告で何度も使われている。
リンジャパンの広告の文章は、今回山口孝氏が書かれている。
私が、この「オーディスト」をはじめて目にしたのは、
2011年6月発売のステレオサウンドだった。
この号は、2011年3月11日の三ヵ月後に出ている。
巻頭エッセイとして、「今こそオーディオを、音楽を」というタイトルで、
柳沢功力、菅原正二、山口孝、堀江敏幸の四氏が書かれていて、
山口孝氏の文章と見出しとしても、「オーディスト」は大きく誌面に登場している。