Archive for 2月, 2021

Date: 2月 9th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その2)

私がCR方法で使うコンデンサーはディップマイカだし、
抵抗はDALEの無誘導巻線抵抗(3W)である。
どちらも海神無線で購入している。

昨日、Kさんが海神無線で購入したのも、
ディップマイカコンデンサーとDALEの抵抗NS2Bである。

DALEの抵抗は一本500円前後する。
安い抵抗は数円程度で購入できたりする。
そんな抵抗を使ってもCR方法は実験できるわけだが、
私としては最初からきちんとした抵抗を使って試してほしい、と思っている。

どんな方式・方法にもメリットとデメリットがある。
できるだけメリットを活かして、デメリットを抑えるためにも、
良質の抵抗とコンデンサーを使いたい。

安価な抵抗とコンデンサーを使って、CR方法を試してたいしたことなかった──、
そう思うのは本人の自由というか、勝手である。

私が書いていることに興味をもって試してみようかな、と思われたのであれば、
ぜひ海神無線で、ディップマイカコンデンサーとDALEの無誘導巻線抵抗NS2Bで購入して、
試していただきたい。

もちろんもっと高価な抵抗とコンデンサーがある。
ヴィシェイ(Vishay)の無誘導金属箔抵抗がそうだ。
かなり高価だし、抵抗値もDALEほど揃っていない。

コンデンサーは双信のSEコンデンサーがある。
こちらもディップマイカよりもかなり高価である。

まだ試していないので何も断言できないのだが、
私はディップマイカコンデンサーとDALEの無誘導巻線抵抗をこれからも使うし、
人にすすめるのもこちらの組合せである。

Date: 2月 9th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その1)

CR方法については、これまで何度か書いている。
難しいことではないから、これまで書いてきたことで十分だと思っていた。

けれど昨日Kさんと話していて、
それから昨晩届いたメールを読んで、
一度、きちんとまとめて書いておこう、と考えを改めた。

いままでの記述で十分という方は読み飛ばしてほしい。

CR方法は、その名称が示すように、
コンデンサーと抵抗を直列にしたモノを、コイルに対し並列に接続することである。

同じようなことは昔から行われてきたし、
製品化されたこともある。
ただし、それらとCR方法が違うのは、抵抗とコンデンサーの値である。

CR方法では、まずコイルの直流抵抗を測る。
デジタルテスターを使ったほうがいい。

コイルは、オーディオのシステムのいたるところにある。
スピーカーユニットのボイスコイルがまずそうだし、
スピーカーシステムのネットワークのコイルがある。

アンプやCDプレーヤーには、トランスがある。
電源トランス、入出力トランスなどがある。

アナログプレーヤーだとカートリッジ、モーターが、
テープデッキだとモーターの他に録音・再生ヘッドがある。

それらのコイルにコンデンサーと抵抗を直列にしたモノを並列に接続する。
いまのところスピーカーユニット、ネットワークのコイル、トランスまではやっている。
カートリッジ、モーター、ヘッドに関してはまだ実践していない。

カートリッジはけっこう効果がある、と予想している。
いずれやる予定だ。

コンデンサーと抵抗の値は、それらコイルの直流抵抗値が目安となる。

たとえば8Ωのスピーカーユニットの場合、6Ωの直流抵抗だとしよう。
その場合、6pFのコンデンサと6Ωの抵抗を使う。
コイルの直流抵抗の値がそのままコンデンサー、抵抗の値となる。

似たような製品では、コンデンサーの容量がずっと大きかったし、
スピーカーユニットに対してではなく、スピーカーシステムに対してだった。

CR方法はスピーカーユニットの入力端子に接続する。
似たような製品は、スピーカーシステムの入力端子に、だった。

Date: 2月 9th, 2021
Cate: ディスク/ブック

ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘

今日(2月9日)は手塚治虫の命日。
1989年2月9日こそ、昭和が終った、と感じた日だった。

「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」という本がある。
このタイトルは、なかなかだと思う。

昭和のマンガを読んできた人ならば、
どんな内容の本なのか、おおよそ想像がつくからだ。

ゲゲゲの娘は、水木悦子氏、
レレレの娘は、赤塚りえ子氏、
らららの娘は、手塚るみ子氏。

「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」は、鼎談をまとめたものだ。
文藝春秋から出ている。
いまも入手可能なはすだ。

Date: 2月 8th, 2021
Cate: ディスク/ブック

Piazzolla 100

昨年は、Beethoven 250とBird 100だった。
今年はPiazzolla 100だ。

アストル・ピアソラの生誕100年である。
1921年3月11日生れである。

誕生日にあわせて、ユニバーサルミュージックから3月3日に、
七枚のCDが発売になる。
数年前に輸入盤でボックスで発売になっている音源だが、
今回はすべて単独CD化・発売であり、
オリジナル・ジャケットでの復刻である。

ここでも私が期待しているのは、MQAでの配信が行われるかどうかである。

Date: 2月 8th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その9)

日本オーディオ協会と、
日本インターナショナルオーディオ協議会による試聴室の運営は、
ほんとうに実現してほしい、と思っているが、
現実にはなかなか進まないであろう。

日本インターナショナルオーディオ協議会の前身、
輸入オーディオ協議会と輸入オーディオショウの発足には、
菅野先生の尽力があった。

いまのオーディオ業界で、リーダーショップを発揮できる人がいるだろうか。
オーディオ評論家(商売屋)でも、
オーディオ漫談家でもどちらでもいいが、
こういう時こそ、オレがリーダーになる、という人は現れないのか。

Date: 2月 8th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その15)

今日は、古くからの友人のKさんと秋葉原に行っていた。
私が以前から書いているCR方法を試したいから、ということだった。

必要な部品を海神無線で購入。
接続方法を図に描いて説明していた。

この項でも、別項でも何度か書いているCR方法。
具体的なやり方はすでに書いているので、今回は省く。

Kさんは帰宅後、先ずヤマハのNS10Mで試したそうだ。
昂奮気味のメールが届いた。

ミキシングコンソールの2ch OUTを聴いているような(!?)ような変わりようです、とあった。
その後も、具体的な変化についてのメールがあった。

Kさんは以前録音の仕事をしていたことのある人だから、
2ch OUTを聴いているような、という表現が出てくる、といえる。

録音の経験のない人が、こんなことをいったところで、
説得力はまったくないわけだが、Kさんは違う。

当然、KさんはメインスピーカーにCR方法を実践するわけだ。
それから彼はマッキントッシュのXRT20に惚れ込んでいる。
いまも持っている(事情があって鳴らしてはいないけども)。

XRT20もいいけれど、XRT18のコンディションのいいモノが欲しい、といっていた。
XRT20にしろ、18にしろ、ユニットの数は多い。

CR方法を実践するにはやや面倒なスピーカーといえるけれど、
一度自分のスピーカーでCR方法による音の変化を体験してしまうと、
トゥイーターの数が多いから……、というのは、
やらないことのいいわけには、もうならない。

Date: 2月 7th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その8)

オーディオショウは、今年も無理なような気がする。
来年はどうなるのか。

開催できるようになったとしても、
また数年後、十年後かに今回のような事態が発生することだって考えられる。

そうなった時に、ただ中止にするだけなのか、と思う。

日本には日本オーディオ協会と日本インターナショナルオーディオ協議会がある。
いうまでもなくOTOTEN(日本オーディオ協会)、
インターナショナルオーディオショウ(日本インターナショナルオーディオ協議会)だ。

この二つの団体が協力して、
東京のどこかに試聴会を開催できるスペースを設けることはできないのか。

オーディオショウのような大規模な開催は、不安定な先行きだからこそ、
小規模の開催も行ってほしい。

それぞれの団体が主催の試聴会だけでなく、
各メーカー、各輸入元による開催、
さらにはオーディオ雑誌の出版社による開催。

月に十回程度の試聴会を行うことは、そんなに難しいことなのだろうか。

Date: 2月 6th, 2021
Cate: 進歩・進化

メーカーとしての旬(その7)

食べ物ならば、旬の食材はひときわおいしくなる。

その観点からの598スピーカーの音は、どうだったろうか。
1980年代の598スピーカーは、ほとんど聴いている。
ステレオサウンドの試聴室で聴いている。

コスト度外視といえるほど、物量を投入したスピーカーばかりである。
けれど、そんなスピーカーから出てくる音をおいしく感じたのかといえば、
はっきりとノーである。

井上先生がきちんと鳴らされた598スピーカーの音は、
感心するような音を出してくれることもあった。

それでもアンプは、CDプレーヤーは、
価格的にアンバランスになってくるし、
使いこなしのテクニックは、多くの人が考えるよりもずっと要求される。

598スピーカーを買う人たちのほとんどが、そういう鳴らし方はできなかったはずだ。
しかも、それでもおいしいと感じる音ではなかった。

あくまでも感心する、といった程度だった。
だから、598スピーカーは、オンキヨーだけでなく、
どのメーカーであっても、旬とは到底いえなかった。

旬のものは売れる。
598スピーカーも売れた。
だから598スピーカーは旬であった──、
そういう会社・人も出てくるかもしれない。

そういう捉え方もしたとしても、
598スピーカーでおいしいと感じる音を出したモノがあったのか、と、
その人たちに問いたくなる。

Date: 2月 5th, 2021
Cate: ロマン

好きという感情の表現(その7)

昨晩は音楽好きの人たちとの新年会だった。
こういう状況下だから、五人だけで、個人の広いリスニングルームでの新年会だった。

大きなスクリーンに、
モロッコ、インドの音楽フェスティヴァルを、
現地に行って録画したものが映し出されていた。

そこに、リスニングルームの主が踊っているシーンがあった。
楽しそう、というより心底楽しんでいる様子が映し出されていたのを見ていて、
音楽に限らず、何かが好き、ということは、こういうことなのか、と改めて思っていた。

気づかれている方もいると思うが、
その2)で触れているAさんは、
10月のaudio wednesdayでDJをやってくれた赤塚りえ子さんである。
リスニングルームの主も赤塚さんである。

赤塚さんが好きなものについて語っている表情は、
見習わねばと思うけれど、マネできないな、とも思ってしまう。

そして、私はほんとうに音楽が好きなのか、オーディオが好きなのか、といったことまで、
つい考えてしまう。

そんなことを考えてしまうこと自体が、
赤塚さんのようにストレートに好きという感情を表現できないところにつながっている──、
そう思いながらも、もっと単純に捉えてしまえればいいのに──、
とまた別の方向へと考え込んでしまう。

私のことはどうでもいいのだが、
これまで知り合うことのできたオーディオ好き、音楽好きの人、
つまり男性で、赤塚さんのような人がいたか、とふり返っても、
誰一人として思い浮んでこない。

そういう人と出会ったことがないから、この項を書き始めたわけだし、
書いていて、またひとつ思い出したことがある。

Date: 2月 4th, 2021
Cate: 所有と存在, 欲する

「芋粥」再読(その8)

数年前の一時期、
Hulu、Netflix、Amazon Prime Video、
この三つのサービスを利用していた。

それぞれでしか見れない作品があるのだから、
海外ドラマ好きの私にとっては、どれも外せなかった。

けれどHuluは日本テレビの子会社になってから、質が落ちた。
見ている途中で途切れてしまう。
何度もそういうことがあったし、
さらに「他のデバイスで使用中だから見れません」的なことが表示される。

独り暮しでMacでしかみていないのに、この表示が頻繁に出てくる。
サービスセンターに問い合せても、毎度同じことしか返ってこない。

回線スピードが遅い、ということと、
そういう事例は、他からは報告されていません、だった。

回線スピードに関しては、測定すれば問題なかったし、
Netflixではそんなことは一度も発生してなかった。

なのでHuluはやめてしまった。
いまはNetflixとPrime Videoの二つなのだが、
この二つで、不満はない。

けれどほぼ毎日のように使っていて、何を思っているかというと、
どの作品を見たいのか、それをチェックしている時間が、
場合によっては作品をみている時間よりも長いのではないか、ということだ。

Netflixならばマイリスト、Prime Videoはウォッチリストとついている。
そのリストに、みたい作品を登録していく。

リストに登録される作品の傾向から、
あなたにはこれがおすすめ、というものも表示される。

こんな作品があるんだ、とか、
関連作品として表示されるのも気になってしまう。
そうやって登録するだけで、作品をみない日があったりする。

やりながらバカなことをしている、と自覚している。
アホウな話である。

私にとって、音楽を聴くことは、
映画や海外ドラマをみることよりも、ずっと大事で大切なことだから、
こんなアホウなことはやりたくない。

やらないためにTIDALだけを選択している。

Date: 2月 3rd, 2021
Cate: 所有と存在, 欲する

「芋粥」再読(その7)

CDを買う理由は、そのディスクにおさめられている音楽を聴きたいからにほかならない。
すぐに聴きたいのか、
それともじっくり聴くための時間がとれるようになってからなのか、
どちらにしても、そこに収録されている音楽が目的のはずだ。

けれどCDボックスのいくつもに手を出す。
その結果、聴かずのディスクが100枚を超えている人を知っているし、
そのくらいの人は、クラシックを聴く人では、もう珍しくなっているようでもある。

2ちゃんねる(5ちゃんねる)には、
《未聴のCDの山を見て人生の残りを考える》というスレッドが、
ずっと続いていることからもうかがえる。

つまり飽和点に達している、もしくは近づいている人はけっこういる。
なのに、CDボックスをつい買ってしまう。

聴くのが目的であれば、いまではCDに頼る必要はない。
TIDALにすべてがあるとはいわないが、クラシックに限ってもかなりの曲数である。

聴くのが目的なら、おまえはなぜTIDALだけなのか、といわれるかもしれない。
いまではAmazon Music HD、mora qualitasが日本ではサービスを開始しているし、
海外にはQobuzがある。

それらのサービスは利用していない。
聴くのが目的ならば、それらのサービスも、と考える人もいるけれど、
私は、聴くのが目的だから、TIDALだけ、である。

選択肢を増やしすぎると、選択のためだけに時間を費やしてしまうからだ。

Date: 2月 3rd, 2021
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(取り残されてきているのか・その3)

注文する前に、一応HiFiGoの評判を調べてみた。
悪くはなかった。

数万円する注文だとすぐに発送してくれるようだが、
一万円程度だともっとかかるそうで、
一万円を切っている注文だと、到着まで一ヵ月ほどかかることもある、らしい。

今回のFC3は一万円を切っている。
HiFiGoからのメールには、5日から10日で発送(平均6日)、とあった。
結果は、というと、二週間以上経って、発送した、というメールがやっと来た。

一ヵ月かからなかっただけに、早いかな、と思っている。
メールが来たので、また日本の輸入元のサイトをみた。
あいかわらずFC3の情報はなかった。

これはどういうことなのだろうか。
輸入元の怠慢なのだろうか。

新製品の情報は、どの国にいても、すぐに届く時代である。
私はfacebookで知ったわけだが、
英語のリリースは自動的に日本語に訳されて表示される。

そういう時代に、輸入元は何をしているのだろうか。
HiByから新製品の情報が届いていないのだろうか。

そうだとしても、HiBy本家のサイトを輸入元はチェックしないのだろうか。

並行輸入品を買うことをすすめたいわけではないが、
FC3のような製品の場合、みなさんなら、どうされるだろうか。

FC3はAC電源を必要としない。
USBバスパワーでの動作である。

それに数千円のモノだから、故障したとして、修理費用はどのくらいかかるのか。
修理に出すよりも買い替えたほうが安いのではないか。

それに使いこなしに特別なノウハウが必要になるモノでもない。
輸入元のサポートが必要になるわけではない。

そういうモノの購入に、
情報すらサイトに載せていない、
扱いがいつになるのかもはっきりとしない輸入元からなのか。
それとも海外から購入するのか。

中国からの購入に、二の足を踏む人もいるだろうが、
PayPalでの支払いが可能だから、万一のことがあっても代金は保証される。

私だって、できるだけ日本のオーディオ業界にお金を使いたい、と思っている。
今回のFC3の件では、待ってられない、が私の本音である。

Date: 2月 3rd, 2021
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(取り残されてきているのか・その2)

1月中旬に、スティック型のD/Aコンバーター内蔵のヘッドフォンアンプが出た。
HiByの新製品で、MQAのfacebookページに、MQA対応の新製品として紹介されていた。

FC3という製品で、一万円を切る価格で、MQAだけでなく、DSDにも対応している。

昨年11月にMac mini(Late 2014)を買ってから、
メリディアンの218にiPhoneを接続することは、ぐっと減ってしまった。

いまiPhoneは、TIDALでおもしろそうな曲(アルバム)を試聴するのにもっぱら使っている。
オーディオシステムでやるよりも、なんとなくiPhoneでついついやってしまう。

iPhoneにはヘッドフォンを接いでいる。
iPhoneとヘッドフォンのあいだには、Lightningとミニプラグの変換アダプターがいる。
以前使っていたiPhoneに付属していたもので、
どの程度のスペックなのかはっきりしないが、ハイレゾ対応というわけではないはずだ。

これでもいいといえばいいのだけれど、さすがにもう少しまともで、
しかも小型で使い勝手のいいもの、できればMQA対応。
そんな製品を探していた。

そんなときに、いいタイミングでFC3が登場した。
さっそく注文することにした。

HiByにはオンラインストアがある。
けれど日本からは注文ができない。

日本には輸入元があるためだろう。
輸入元があれば、そこから買おう、と思い、サイトにアクセスしたところ、
まだFC3は発表された、という情報すらない。

つまり買えない。
数日待って、再びアクセスしたけれど、やっぱりまだである。

日常使いするモノだけに、すぐに欲しい。
HiFiGoというところで取り扱っている。
日本にも送ってくれる。注文した。

Date: 2月 3rd, 2021
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(取り残されてきているのか・その1)

以前は、日本はオーディオ大国といえた。
日本のメーカーからは矢継ぎ早に新製品、新技術、新素材が登場していたし、
海外製品に関しても、相当数輸入されていた。

1980年代、ある輸入代理店の社長(いまは引退されている)は、
海外のオーディオショウにいくと、
多くのオーディオメーカーから、ぜひ取り扱ってほしい、
と引き合いが殺到していた、ときいている。

そのころは、ミスター○○が取り扱ってくれると、日本でヒットする──、
そういうウワサが立っていたそうだ。

それだけ日本市場は大きかったし、重要だったのだろう。
いまはどうだろう。

別項「真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その3)」で、

以前は輸入されていて、ある程度知れ渡っていた海外のブランドが、
いまではすっかり忘れられてしまっている、という例が意外とある。

そのブランドがなくなってしまったわけではなく、
単に日本に輸入されなくなっただけの話だ。

しかもアジアの他の国には輸入元がある。
日本にだけない、という例が具体的には挙げないが、まだまだある。
しかも増えてきているように感じる。

それらのブランドは、なんらかの理由で日本の市場から淘汰されただけなんだよ、
そんなことをいう人もいるけれど、ほんとうにそうなのだろうか。

そういうブランドもあるだろうけど、なにか日本だけが取り残されつつあるよう気もする。

そう書いた。
昨年の8月に書いている。

それから半年ほど経って、その感を強くしている。

Date: 2月 3rd, 2021
Cate: 世代

世代とオーディオ(実際の購入・その17)

(その16)が、(その15)の続きではなかったと同じく、
今回も(その15)の続きではなく、(その16)の補足のような内容だ。

ラジオ技術2月号に
「これからオーディオを始める方へ筆者からのメッセージ」が載っている。
3月号にも載る。

そこに五十嵐一郎氏の名前があった。

これだけである。
なんだ、と思われる人もいるだろう。
そうなんだ、と思う人も、いまでは少なくなったけれど、いる。

これだけでラジオ技術3月号を読みたくなる。