日本のオーディオ、これから(取り残されてきているのか・その1)
以前は、日本はオーディオ大国といえた。
日本のメーカーからは矢継ぎ早に新製品、新技術、新素材が登場していたし、
海外製品に関しても、相当数輸入されていた。
1980年代、ある輸入代理店の社長(いまは引退されている)は、
海外のオーディオショウにいくと、
多くのオーディオメーカーから、ぜひ取り扱ってほしい、
と引き合いが殺到していた、ときいている。
そのころは、ミスター○○が取り扱ってくれると、日本でヒットする──、
そういうウワサが立っていたそうだ。
それだけ日本市場は大きかったし、重要だったのだろう。
いまはどうだろう。
別項「真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その3)」で、
以前は輸入されていて、ある程度知れ渡っていた海外のブランドが、
いまではすっかり忘れられてしまっている、という例が意外とある。
そのブランドがなくなってしまったわけではなく、
単に日本に輸入されなくなっただけの話だ。
しかもアジアの他の国には輸入元がある。
日本にだけない、という例が具体的には挙げないが、まだまだある。
しかも増えてきているように感じる。
それらのブランドは、なんらかの理由で日本の市場から淘汰されただけなんだよ、
そんなことをいう人もいるけれど、ほんとうにそうなのだろうか。
そういうブランドもあるだろうけど、なにか日本だけが取り残されつつあるよう気もする。
そう書いた。
昨年の8月に書いている。
それから半年ほど経って、その感を強くしている。