オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ダストカバーのこと・その5)
アナログプレーヤーにおけるダストカバーは、
スピーカーシステムにおけるサランネットのような存在といえる部分がある。
取り外しができる。
国産メーカーに関しては、アナログプレーヤーのダストカバー、スピーカーシステムのサランネットは、
開発の時点では取り外した状態で試聴が行われているとみてまちがいない。
スピーカーシステムのサランネット(そう呼ぶのがためらわれるほど立派なものもある)、
国産メーカーのほとんどは外して聴くのが前提であっても、
海外製品の中には、装着しているのが前提のモノもある。
アナログプレーヤーのダストカバーの中で、
そういうスピーカーシステムのサランネット(便宜上こう呼ばせてもらう)と同じとみていいのが、
前回、例に挙げたエンパイアの598、698、パイオニアExclusive P3のそれである。
これも私の勝手な想像なだが、
おそらくExclusive P3は、
開発段階の試聴にいても、ダストカバーが閉じられた状態の音を充分に聴き込んだうえでつくられている気がする。
サランネットを取り付けた状態の音が標準のスピーカーシステムがあるように、
ダストカバーを閉じた状態の音が標準のアナログプレーヤーだって、
数はきわめて少ないかもしれないが、あるはずだ。
そのひとつがExclusive P3であり、
ダストカバー装着時の音と外した状態の音を比較したことがないので、はっきりとはいえないものの、
エンパイアのプレーヤーも、おそらくそうであろう。