Date: 9月 12th, 2013
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ダストカバーのこと・その2)

わたしがいたころは、ステレオサウンドでのアナログプレーヤーの試聴において、
ダストカバーは取り外して聴くのがあたりまえのことになっていた。

ダストカバーを開いた状態とか閉じた状態ではなく、
完全にダストカバーをプレーヤー本体から分離した状態での試聴であった。

ダストカバーは、ハウリングマージンに影響してくる。
1977年に誠文堂新光社から無線と実験別冊として出た「プレーヤー・システムとその活きた使い方」に、
アナログプレーヤー、八機種のハウリング特性の測定結果が載っている。

この測定は、それぞれの機種において、
ダストカバーを開いた状態、閉じた状態、そして取り外した状態での結果が、グラフで表示されている。

プレーヤーの構造や材質によって多少細部は違う結果になっているものの、
全般的にいえるのは、ダストカバーを開いた状態よりも閉じた状態のほうが、
ピークが出にくい傾向にある、ということ。
つまりハウリングを起しにくい、ともいえる。

ただし、この測定は左右両スピーカーの中央、
つまり聴取位置に設置しての測定ゆえに、スピーカーからの音圧をほぼ正面から受けることになり、
ダストカバーの開閉の影響も、実際のリスニングルームにおいて、
ハウリングの少ない位置を探して出して設置したときよりも顕著に出ている、ともいえる。

ダストカバーを取り外した状態は、ダストカバーを閉じた状態に近い。
ただダストカバーの重量とプレーヤー本体の重量の比によって、
最低共振周波数に変化が見られるものもある。
帯域によっては、取り外した状態がよくなるプレーヤーもある。

ハウリングの測定結果においてもこういう結果が出るだけに、
実際に音を聴けば、ダストカバーの状態によって、音は多少なりとも影響を受け、
全般的にダストカバーを取り外して、しっかりとした台に、ハウリングの起きにくい場所に設置するのが、
音質的には好ましい結果が得られる。

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