Date: 9月 12th, 2013
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ダストカバーのこと・その3)

ダストカバーの存在、その使用状態はハウリングマージンにも関係してくるが、
やはり音への影響のほうが気になる。

ダストカバーの大半はアクリル製で、プレーヤー本体とはヒンジで結合されている。
ダストカバーを開けている状態では、ダストカバーはヒンジでのみ支えられているわけだから、
いわば片持ち状態で、あれだけの大きさ(表面積と凹み部分の容積)があれば、
スピーカーからの音圧を正面から捉えてしまうことになるのは容易に想像できる。

閉じた状態では、ダストカバーはヒンジの他に、ダストカバーにちょこんとつけられている小さなゴムで、
プレーヤーのキャビネットに接触する例が多い。
ダストカバーを閉じることで、
カートリッジやトーンアームが直接スピーカーからの音圧にさらされないメリットはある反面、
ダストカバーそのものの振動の影響が、
開けている状態ではヒンジによってのみプレーヤー本体に伝わってきていたのが、
閉じていればゴムを伝わってくることになる。
振動のモードは、閉じている状態と開けている状態とでは、かなり違ってくるはずだ。

そういう共振のシンプル化ということで考えれば、
ダストカバーを取り外した状態がいちばんすっきりとしたかたちになる。
そして、ここで考えてほしいのは、メーカーがプレーヤーを開発するときに、
メーカーの試聴室において、ダストカバーをどういう状態にして試聴しているのか、である。

でき上がってきた製品(プレーヤー)を聴くかぎり、
ほとんどがダストカバーは取り外した状態で試聴されているように思われる。

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