Date: 9月 11th, 2013
Cate: ジャーナリズム, 岩崎千明, 瀬川冬樹
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「オーディオABC」と「カタログに強くなろう」(その6)

インターネットがなかったころには、こういう入門書の必要性は高かっただろうが、
いまではインターネットに、どこからでもアクセスできるようになり検索できるわけだから、
昔ほどには必要性はない──、
そういうことになれば、わざわざ項目をたてて書く必要もないわけだが、
むしろ昔よりも、いまのほうが必要性は増している、と私は考えている。

もう10年近く前のことだ。
ある人が、CDについて自身のサイトで公開していた。
そこには「CDは角速度一定だから」という記述があった。
たまたま、その人とは面識があったから、間違いの指摘の電話をした。

彼いわく、
今回のことを書くためにインターネットであれこれ調べた。
いくつかのサイトを見つけて、その中でいちばん信頼できると判断したサイトに、
「CDは角速度一定」と書いてあった、と。

何かについて書くときに調べてから、というのは理解できる。
けれど、わざわざ間違いが書いてあるサイトを、他のサイトよりも正しいと思い込み、
そのまま「CDは角速度一定」と信じ、文章を書く。

どのサイトに書いてあることを信用するのか、
それを見極めるに必要なものが、彼には欠けていた、といえるわけだが、
たまたま私が知っている例が彼だというだけの話であって、
この手の話は意外にも少なくないように思う。

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