Date: 9月 11th, 2013
Cate: 進歩・進化
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拡張と集中(その4)

現在市場に出廻っているスピーカーシステムで世評の高いモノすべてとはいわないが、
多くのスピーカーシステムの物理特性は、はっきりと向上している。

周波数特性については既に述べている。
見事というしかない周波数特性を実現しているスピーカーシステムも、もう珍しくなくなってきている。

周波数特性だけではなく、歪率も減ってきている。
サインウェーヴによる測定項目だけでなく、パルスによる測定項目においても特性の改善は著しい。

それだけそれまでの技術の集積があり、それをベースとした向上があるからこその、
物理特性の向上である。
ここまでの物理特性の向上は、オーディオを工業製品ととらえれば、はっきりと進歩であるわけだ。

これらのことは、別の言葉で表現すれば、リニアリティ(直線性)の向上である。

周波数特性は、あらゆる帯域の音に対してのリニアリティであり、
歪率にしても、どれだけ低歪にできるかはリニアリティを向上させていくことだし、
そのリニアリティの領域をどこまで(周波素的にも、レベル的にも、位相的にも、など)
のばしていくことができるか、ともいえる。

だとすれば、スピーカーシステムにおける物理特性の向上は、リニアリティの向上であり、
リニアリティの向上とはリニアリティの領域を拡げていくこと、
つまり、進歩は、拡張といいかえたほうが、しっくりくる。

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