Archive for category テーマ

Date: 12月 10th, 2018
Cate: 音楽の理解

音楽の理解(オーディオマニアとして・その2)

続きを書くつもりはなかった。
けれど、facebookでのコメントを読んで、書くことに変更した。

コメントの内容をここで引用はしないが、
間違ってはいないけれど、本質的なところで微妙に違う、とまず感じた。

コメントをくれた方を批判するわけではない。
伝え方が不十分だったな、と今回も思っている。

音楽とした場合、私にとってはクラシック音楽であるということだ。
作曲家がいて、演奏家がいる。

(その1)ではマーラーの交響曲を挙げたが、
マーラーの交響曲は、いまでは多くの指揮者、オーケストラが演奏しているし、
レコード会社もいろんなところから出ている。

(その1)でも、それ以前にも、
インバルのマーラー(デンオン録音)はとらない、と何度も書いている。

インバルのマーラーをとる人がいてもいい。
私とはマーラー観がまるで違う、ということであって、
私が好きなバーンスタインのマーラーがダメだ、という人もいてもいい。

別項「メリディアン ULTRA DACで、マリア・カラスを聴いた(その2)」で触れたことが大きく深く関係している。
音楽に対する「想像と解釈」である。

つまり、マーラーの交響曲では、マーラーの交響曲に対する「想像と解釈」で演奏を選ぶ。
そこから始まる。

Date: 12月 10th, 2018
Cate: 音楽の理解

音楽の理解(オーディオマニアとして・その1)

audio wednesdayでは、わりとマーラーの交響曲をかける。
かけるたびに、常連のKさんがつぶやく。
「マーラーはよくわからない」、
もしくは「マーラーはとらえどころがない」、
そんなKさんのつぶやきを聞きながら、
わかる(理解する)とは、どういうことなのか、と自問する。

マーラーの交響曲をかけるときは、好きな演奏しかかけない。
まちがってもインバルによるマーラーの交響曲はかけない。

誰かがインバルのディスクを持ってきて、かけてほしい、とは言われればことわりはしないが、
自分からかけることはしない。

マーラーの交響曲をわかる、とか、わかっていないとか、
オーディオマニアとしていえることは、
好きな演奏を、満足のいく音と響きで鳴らせるか、で決る。

どんなにマーラーの交響曲について、
音楽的な知識や作曲された背景などについてことこまかに知っていて、
音楽評論家顔負けのようなことを話せたとしても、
好きなマーラーの演奏を、満足のいく音で鳴らせなかったら、
それはマーラーの音楽(交響曲)を理解していない。

もちろん、これはオーディオマニアとして音楽の理解である。
バーンスタインのマーラー(ドイツグラモフォン録音)が好きだといいながら、
インバル(デンオン録音)のようにしか鳴らせないオーディオマニアがいたら、
その人はマーラーを理解していない、と私は捉える。

Kさんとマーラーの交響曲について、それ以上話したことはない。
Kさんは、これだといえるマーラーの交響曲の演奏(録音)にであっていないだけかもしれない。

マーラーに限らずいえることでもある。

Date: 12月 9th, 2018
Cate: オーディオ評論

「新しいオーディオ評論」(その9)

ステレオサウンドのウェブサイトは、Stereo Sound ONLINE
音元出版のウェブサイトは、PHILE WEB

インターネットに早くから積極的だったのは音元出版だった。
ステレオサウンドは出遅れた。

どちらにアクセスするかというと、PHILE WEBの方だ。
といっても十日に一回ぐらいの割合で、
Stereo Sound ONLINEの方は一ヵ月に一回もしくは二回程度である。

Stereo Sound ONLINEは、どうしてこんな記事を……、と思うことが増えてきた。
積極的に記事を公開するようになるとともに、そうなってきている。

今日facebookで、ある人が、Stereo Sound ONLINEにこんな記事が……、という投稿をされていた。
確かに、こんな記事が……、というものだった。
グラビアアイドルの写真集の発売記念イベントの記事だった。

Stereo Sound ONLINEではなく、他の名称だったら、それでもいい。
でも古くからのステレオサウンドの読者からすれば、
Stereo Sound ONLINEは、もうステレオサウンドではない。

Stereo Sound ONLINEのStereo Soundは季刊誌のステレオサウンドではなく、
株式会社のステレオサウンドなのはわかっている。

それでもPHILE WEBは音元出版WEBとか音元出版ONLINEという名称ではない。
オーディオアクセサリーWEBでもない。
PHILE WEBの名称が優れているとかそういうことではなく、
この判断は賢明だといえる。

Stereo Sound ONLINEは、株式会社ステレオサウンドのウェブサイトなんだから、と、
いわれてしまえば、確かにそうですね、というしかない。
けれど、ステレオサウンドという固有名詞は、やはり季刊誌ステレオサウンドなのだ。

Date: 12月 8th, 2018
Cate: 書く

毎日書くということ(9000本をこえて感じていること)

8900本をこえたあたりから書くペースが落ちた。
年内には余裕で9000本目が書ける、という安心感から、そうなった。

予定では11月中に9000本目を書き終っているはずだったのに、
今日やっと9000本目(ひとつ前がそう)を書き終えた。

これが9001本目だから、あと999本で目標の10000本である。
約一年後には、書き終えている(はず)。

やっと目標が視界に入ってきた、と感じている。
2019年の5月には、audio wednesdayも100回になる。

ひとつ区切りがつくのだろうか。

Date: 12月 8th, 2018
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(韓国、中国は……・その4)

ここまで書いてきて、そうだ、と思い出したことがある。
なので、ちょっと脱線してしまう。

もう十年くらい前になるか、
Red Rose Musicのアンプのことが、ちょっと話題になっていた。
Red Rose Musicは、マーク・レヴィンソンが、マークレビンソン、チェロに続いて興した会社。

最初はオーディオプリズムの真空管アンプをベースに、
マーク・レヴィンソンがチューニングを施した製品だった。
その後、トランジスターアンプが、それからスピーカーシステムが登場した。

これらは、中国のメーカーによるモノだった。
アンプはDussun、スピーカーシステムはAurum Cantus製で、
しかも中国では、それぞれのブランドで安価に売られていた。

写真を見る限り、外観はRed Rose Musicブランドであっても、
Dussunブランド、Aurum Cantusブランドと同じである。

中は違っている、といわれていた。
マーク・レヴィンソンがチューニング(モデファイ)している、ということだった。

けれど、それもアヤシイといわていた。
どちらも内部を見たことはない。
そのウワサが事実なのかどうかはなんともいえないが、
少なくともマーク・レヴィンソンにとって、
Red Rose Musicの製品として売るだけの良さがあったのだろう。

もっといえば、どこか琴線にひっかかってくるものがあったのだろうか。
琴線と書こうとして、(きんせん)と入力したら金銭と出てしまい、
それもまたマーク・レヴィンソンらしい理由かも──、と思ってしまう。

金銭か琴線なのかは措くとして、
少なくともRed Rose Musicブランドとして恥ずかしくないクォリティを持っていると、
マーク・レヴィンソンは判断したはずだ。

それから十年ほどが経っている。

Date: 12月 7th, 2018
Cate: ディスク/ブック

Pulse/Quartet by Steve Reich

ノンサッチから出ている“Pulse/Quartet by Steve Reich”。
ジャケットのどにもMQAとはない。
MQAのマークもない。

けれどMQA-CDである。
こういう隠れMQA-CDは、意外にあるのかもしれない。

Date: 12月 6th, 2018
Cate: ディスク/ブック

JUSTICE LEAGUE (with ULTRA DAC)

JUSTICE LEAGUE(ジャスティス・リーグ)のサウンドトラックを、
今回もかけた。

9月、ULTRA DACをはじめて聴いたときにもかけた。
今回も、基本的にシステムは同じだ。

トランスポートがスチューダーのD731になったぐらいの変更である。
こまかなところはいくつか変更している。

別項で書いているように、アンプの脚を交換したし、
前回のaudio wednesdayから、アルテックのホーンにバッフルをつけている。
他にもこまかな変更点はいくつかある。

それにしても、昨晩はよく鳴ってくれた。
1曲目の“EVERYBODY KNOWS”もよかった。
それ以上に23曲目の“COME TOGETHER”はよかった。

やや大きめの音量での“COME TOGETHER”。
ビートルズではなく、歌っているのは、Gary Clark Jr. and Junkie XL。

これが、ほんとうにかっこいい。
いままでいろんな音を聴いてきた。

その他にもいろんな感想をもってきた。

けれど、昨晩初めて「かっこいい」と口に出してしまった。
私だけがそう感じていたのではなく、聴いていた人も「かっこいい」と感じていた。

ほんとうに、音がかっこいい、のだ。

Date: 12月 6th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(アンプの脚・その7)

11月のaudio wednesdayで、
マッキントッシュのMCD350とMA7900の脚に少しばかり細工したことはすでに書いているとおり。

昨晩のaudio wednesdayでは、脚そのものを交換した。
別に高価なアクセサリーとして売られてるモノにしたわけではない。
東急ハンズで売っているモノを使っている。

たったこれだけの変更なのだが、トータルでの音の変化はけっして小さくない。
昨晩のaudio wednesdayではメリディアンのULTRA DACを、
9月に続いて、再び聴くことができた。

入力側の機器がこれだけよくなると、
脚による音の変化はそれだけ大きくなる。

パッと見て、脚が変っていることには気づきにくい。
私が言う前に気づいた人はいなかったが、
音の違いは、ほぼ全員が感じていた。

アンプの脚を交換しただけで、
しかも費用は千円もかかっていない。
たったそれだけで、どれだけの音の変化か、と疑う人は疑っていればいいし、
オリジナルに手を加えるなんてけしからん、と思う人も、そのまま変らずにいてくれればいい。

井上先生がよくいわれていたように、
情報量が増えれば増えるほど、ささいなことで音は少なからぬ変化をする。

結局、そういうことである。

Date: 12月 6th, 2018
Cate: audio wednesday

第96回audio wednesdayのお知らせ(マリア・カラスとD731)

メリディアンのULTRA DACを再び聴けた昨晩のaudio wednesdayはよかった。
よかっただけに、翌月のテーマは考えてしまう。
9月に聴いたあともそうだった。

今回も何にしようかと悩んだけれど、
マリア・カラスを聴こう、と考えている。

いま喫茶茶会記にはトランスポートとして使ったスチューダーのD731が、来月まである。
このD731でマリア・カラスのCDをたっぷりと聴こう、と思う。

マリア・カラス以外はかけないつもりだ。
1月の第一水曜日は2日。
こんな日に来てくれる人はそういない。
少しわがままを通しての、マリア・カラスとD731である。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時からです。

Date: 12月 5th, 2018
Cate: ロングラン(ロングライフ)

定番(その4)

昨年、(その3)でラックスのアンプのプロポーションについて書いた。
ずんぐりとしたプロポーション。

私には、こんなプロポーションにする理由がわからずにいた。

別項「2018年ショウ雑感(その25)に、facebookでコメントがあった。
そこには、ミニヴァンをかっこいいと思っている人たちが多いのは嘆かわしい、とあった。

ミニヴァンをかっこいい、と思う人がいるのか、と驚くとともに、
そうか、そういう感覚からすれば、
ラックスのいまどきのずんぐりプロポーションもかっこいいのか、とも思った。

ラックスのずんぐりプロポーション・アンプのデザイナーが、
どういうクルマをかっこいいと捕えているのかは知らない。
ミニヴァンをかっこいい、と捉えているのかどうかもわからない。

それでも、そこにつながっていく何かがあるような気はしている。

Date: 12月 5th, 2018
Cate: ショウ雑感

2018年ショウ雑感(その25)

オーディオはかっこいい、と思われること。
それが大事だと書いてから思ったのは、
いまの時代、かっこいいは、昔ほど、その輝きを失っているのか、とも考えてしまう。

スーパーカーと呼ばれるクルマが走っているのをみれば、
かっこいい、と感じる。

大阪ハイエンドオーディオショウの会場を出て、しばらく歩いていたら、
ランボルギーニのアヴェンタドール(黄色)が走っていった。

東京にいても、アヴェンタドールが走っているところは、なかなかお目にかかれない。
かっこいいな、と目で追っていた。

若者のクルマ離れがいわれている。
その理由について、あれこれいわれているようだ。

どうしてクルマ離れなのか、
別にクルマ離れに限らず、若者の○○離れは話題になっている。

それは、かっこいいの価値が薄れてきているのかも──、と私は思う。

Date: 12月 4th, 2018
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これまで(上原晋氏のこと・その5)

上原晋氏のリスニングルームは、ちょっと変形なため広さをややつかみにくいが、
20畳はあろう。

私だったら、これだけのスペースがあればためらうことなくSuper Red Monitor(SRM)を入れる。
もっと狭いスペースでも、SRMを鳴らしたいと思ったなら入れる。
たとえ六畳間であっても、SRMを設置できるのだから、SRM12Xを含めて、
SRMシリーズの他の機種はもう目に入らない、とでもいったほうがいい。

結局、欲しいと思えたスピーカーの大きさなんて、ほとんど気にしない。
もちろん物理的に部屋に入らないほどの大きなモノならば、あきらめるが、
部屋に入る以上は、そこを、それを目指す。

上原晋氏がSRM12Xを選ばれたのか、その理由はわからない。
リスニングルームの片隅には、いまは鳴らされていないQUADのESLがあった。

おそらくSRM12X導入前は、このESLを鳴らされていたのだろう。
リスニングルームの完成は前にも書いているように1978年だから、
SRM12Xもちょうどその頃からなのだろう。

となるとESLは以前のリスニングルームに鳴らされていたのか。
そのときの部屋の広さはどのくらいだったのだろうか。

狭くはなかったように勝手に思っている。
おそらく空間の広さに応じてのスピーカーの選択ということ、
つまりバランスを重視しての選択をされていたのではないのか。

私もESLを鳴らしていた。
六畳弱の狭い部屋で鳴らしていた。
しかも部屋は横長に使っていた(長辺側にスピーカーを置いていた)。
ESLと私との距離は、ごく短い。
手を伸ばせば、誇張でなくもう少しでESLに届くほどだった。

ESLと壁との距離も最低限しか確保できなかった。
アンプはSUMOのThe Goldだった。
そんな極端なアンバランスな環境のもとで、私はESLを鳴らしていた。

上原晋氏は、こんなことは決してやらない人なのだろう。

Date: 12月 3rd, 2018
Cate: audio wednesday

第95回audio wednesdayのお知らせ(再びULTRA DAC)

二日後のいまごろは、ULTRA DACの音を聴いている。
この時間(21時すぎ)になれば、システム全体の調子もあがってくる。

そんなことを、もう想像している。
多くの人にULTRA DACの音をじっくり聴いてもらいたい、という気持がある。
でも、喫茶茶会記のスペースは、そう広くはないからなぁ……、という気持もないわけではない。

12月5日のaudio wednesdayで、
もう一度メリディアンのULTRA DACを鳴らす。

D/Aコンバーターを鳴らす、と表現するのはおかしいかもしれないが、
そう表現したくなる気持がある。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時からです。

Date: 12月 3rd, 2018
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのセッティングの実例と老い(その4)

こういうことを書くと、
若い人は、アナログディスク再生のノウハウを身につけていないから仕方ないこと──、
そんなことをいってくる人がいるかもしれない。

私より若いスタッフのブースも確かにあった。
私と同世代のスタッフと思われるブースもあった。

若いスタッフのブース(会社)には、何も若い人だけがいるわけではないはず。
私と同世代か、上の世代の人もいよう。
そういう人たちから学ばないのか、とも思うよりも、
全体的に、アナログディスク再生が老いてきているように感じてしまう。

昔取った杵柄で、アナログディスクを再生しての音出し──、
やっている側はそういう意識なのだろうが、
昔取った杵柄は、いつのまにか錆びついているのかもしれない。

それに鍛えていなければ、技能や腕前は衰えていくのではないのか。
そんな空気が漂っているのかもしれない。

個人で、いまも昔取った杵柄をさらに鍛えてのアナログディスク再生の人もいるはず。
けれど、オーディオショウでは、そういう人がアナログディスク再生を行っているわけではない。

昔取った杵柄は、いまでは幻影になっているのに気づかずに……、
そういう空気が、アナログディスク再生が老いてきているように感じさせてしまうのか。

Date: 12月 3rd, 2018
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのセッティングの実例と老い(その3)

オーディオショウでも、アナログプレーヤーを使っての音出しは増えてきている。
残念ながら、それらがすべてきちんと調整された音ではなかったりする。

今回のインターナショナルオーディオショウでも、気になるブースがいくつかあった。
あるブースでは、アナログディスク再生時に、ウーファーの振動板が前後にフラフラしている。

ここまで揺れていたら……、と心配したくなる。
そのブースのスタッフの誰一人、そのことを気にしている様子はなかった。
ウーファーの前後の揺れがどういうことが起きて生じているのか理解していないのか。
そんな感じすら受けた。

別のブースでは、凝った構造のトーンアームでの音出しだった。
昨年も、このブースで感じたのは、完全にトーンアームが調整しきれていない、
そんな感じである。

どこかヒステリックな印象がつきまとう。
それにあるレコードがかけられた。

歌手は二人。
なのに二人とも同じところに重なって歌っているようにしか聴こえない。

左右のスピーカーのちょうどセンターにいたわけではない。
席ひとつ分だけ右にずれていた。
その位置では、右側のスピーカーの位置に、二人の歌手が重なるように定位している。

初めて聴くディスクなので、それが録音のせいという可能性はわずかに残るが、
常識的に考えて、そんな録音のはずはない。
調整不備からなのだと思われる。

あるブースでは、プレーヤーキャビネットのうえに、
スタイラスカバーや針先クリーナーを置いたままでの音出しだった。
スタビライザーも、ディスクによっては使用していなかった。
意図的にそうしていたのか、単にスタビライザーをのせるのを忘れていただけなのか。

細心の注意が払われているな、と感じるブースはなかった(少なくとも私がみた範囲では)。