Archive for category テーマ

Date: 10月 15th, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その10)

今年のインターナショナルオーディオショウでの今井商事のブースでは、是枝重治氏がヴァイタヴォックスのCN191を鳴らされる。

これまでの告知では、金曜日と土曜日の14時からの一時間だった。
先ほどインターナショナルオーディオショウのウェブサイトを見たら、下記のようになっていた。

10月17日 (金)
11:00~12:00     自社講演
14:00~15:00     是枝重治氏
17:00~18:00     自社講演

10月18日 (土)
11:00~12:00     自社講演
14:00~15:00     是枝重治氏
17:00~18:00     自社講演

10月19日 (日)
11:00~12:00     自社講演
15:00~16:00     自社講演

尚、金曜日と土曜日の自社講演につきましては、
是枝重治氏の講演に変更する場合があります。

ということは金曜日と土曜日は、それぞれ最大で三回、是枝重治氏の講演となるのかもしれない。
あくまでの可能性なので、確実に是枝重治氏の講演を聴きたい方は、14時からの回である。

Date: 10月 14th, 2025
Cate: ステレオサウンド

早瀬文雄氏の文章(余談)

10月12日から始めた早瀬文雄さんの文章の公開は、いまのところ一日一本のペースでやっている。

ステレオサウンド 95号から始めたのには、これといった理由はなく、
いちばん近くにあったからだけが、その理由だ。

95号の特集は、「最新スピーカーシステム50機種・魅力の世界を聴く」で、
大型、中型、小型の三つのグループに分けての試聴を行っているだけでなく、
単発の記事として、上杉先生の「ついに〝ジャジャ馬〟を飼い鳴らした! アルテックにおける人間研究」と、95号の表紙にもなっているゴールドムンドのアポローグもある。

別項で、ステレオサウンドを弁当に喩えると、幕の内弁当、さらにはマス目弁当化している、と書いている。

95号は、そうなる前のステレオサウンドである。

ゴールドムンドのアポローグの記事だが、これを読んで不思議に思われた方もいるだろう。
表紙にもなっていることもあって、モノクロ5ページがあてられているが、
扉のページに、製品解説:早瀬文雄、ヒアリングインプレッション:傅 信幸とある。

普通だったら、二人のうちのどちらかが製品解説も試聴も担当するのに、
このアポローグの記事だけは違う。
しかも扉のページには、編集部による文章もあったりする。

このアポローグの記事が、こうなったのにある理由がある、と確信している。苦肉の策のはずだ。
当時、舘(早瀬文雄)さんに理由をきくこともしなかった。

その理由がきくまでもなくわかっていたし、そういうことだったんですね、で通じていた。

Date: 10月 13th, 2025
Cate: the Reviewの入力

早瀬文雄氏の文章

昨晩からthe re:View (in the past)の更新を再開している。

昨夏からMacが全て故障してしまっていて、このブログも一年以上、iPhoneで書いている。
なのでMac(+親指シフトキーボード)で書いていたころの誤入力、誤変換とは違った誤入力、誤変換になっている。

the re:View (in the past)の更新には、私の場合、親指シフトキーボードがどうしても必要なのだが、
使えなくなったMacしかない状態では、そんなことも言ってられないのだが、
とはいえiPhoneでの、他の人が書いた文章の入力は、やってみるとけっこうしんどい。

でもiPhoneでは音声入力ができる。試しにやってみると、なかなかいい感じで、実用になるレベルだ。
ずっと以前IBMが音声入力のハードウェアとソフトウェアのバンドル版を出していた。

使ったことはないが、当時のMac関係の雑誌の記事を読む限り、実用にはまだ遠いなと感じていた。
それがいまやiPhoneだけで、当時よりもずっと変換精度も高くなっている。

今年7月に、早瀬文雄(舘 一男)氏の文章を公開する許諾を得ていた。
舘さんの誕生日は8月、1955年生れだから今年で70。
だから8月に公開しようと思いつつも、暑さの前に、10月にしよう、と変更してしまった。

10月15日は、舘さんの命日。この日に公開しようとも考えたが、
私の性格からして、そんなふうに延ばしてしまうと、またずるずるとなりそうなので、
思い立ったときに、ということで昨晩から公開することにした。
とはいえポチポチと更新していく。

以前は、「更新のお知らせ」を載せていたが、もうやめた。なので、更新されたのかどうか分かりにくいだろうが、このままで続けていく。

Date: 10月 12th, 2025
Cate: ハイエンドオーディオ

ハイエンドオーディオ考(その21)

その19)で触れている、ソナス・ファベールのソナス・ファベールのStradivari Homageを見て、
音を聴くこともなく、買っていった女の人は、その後どうなんだろうかとおもう。

当時、ペアで五百万円ほどのStradivari Homageを買う。
この女の人は、Stradivari Homageに見合うアンプその他をすでに所有していたのか、
それともStradivari Homageと一緒にまとめて購入したのか。

なんとなく後者のような気がするするが、仮にそうだとして、
この女の人は、その後、オーディオにお金をかけるのだろうかと思う。

Stradivari Homageをポンと買っていく人だから、かなり裕福な方だろう。
アンプその他も買って行ったとしたら一千万円を超える買い物となる。
オーディオ店にとって、いいお客のはずだ。
ただ、その後もいいお客と言えるのか。

Stradivari Homageの購入をきっかけにオーディオに強い関心を持ってくれるかもしれないが、
高価な音の出る家具としての購入とも考えられる。

そうだとしたら、グレードアップといったことには関心がないだろう。
つまり一回限りのお客の可能性もある(高い)。

それでも一回で大金を払ってくれるのだから、十分すぎるいいお客と、オーディオ店の店員からすれば、そうだろう。

こういうお客が来てくれれば、オーディオ店は潤う。けれど長いつきあいとなるお客かどうかは、なんとも言えない。

オーディオ機器はいつか故障する。
その時は新しい機器を、またポンと買ってくれるかもしれないから、なんとも言えないけれども、
オーディオ界を支えているのは、そういう層の人たちだろうか。

Date: 10月 11th, 2025
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その35)

2020年末まで四谷三丁目でやっていたaudio wednesdayは、2024年から狛江でやっている。

スピーカーも違う、アンプも違う、部屋も違う。いろいろと違う中で、私がいまいちばん意識していることは、
コントロールアンプを使うことが増えてきた、である。

四谷三丁目のころは、アンプはマッキントッシュのプリメインアンプだったから、
コントロールアンプを使うことはあまりなかった。
全く使わなかったわけではない。

マークレビンソンのLNP2を鳴らした方もある。
マッキントッシュのプリメインアンプにはパワーアンプ部への入力端子がある。
コントロールアンプ部をパスしてパワーアンプとして使ったわけだが、
マークレビンソンとマッキントッシュの組合せが決していいとほ思っていないが、
それでもLNP2の存在感を十分すぎるほどに感じられた。

このころはパワーアンプとして使うこともけっこうあった。

2024年は使ったり使わなかったりだったのが、2025年は使うことの方が多い。

アインシュタインのコントロールアンプも使っていたし、マランツのModel 7をメインのコントロールアンプとして使っている。

野口晴哉氏のリスニングルームにはマッキントッシュのC22もあって、
今年、整備されて使えるようになっている。

C22も使おう(鳴らそう)と思いながらも、Model 7を選んでいる。

深く考えてのModel 7ではなかったけれど、こうやって改めて考えてみると、
野口晴哉氏のオーディオシステムのデザインの中心として選んでいたのかも──、と思い始めている。

Date: 10月 10th, 2025
Cate: ディスク/ブック

gulda récital Montpellier, 1993

グルダの1993年のモンペリエ・サマー・フェスティヴァルでのライヴ録音(CD二枚組)は、
グルダの数多いアルバムの中でも素敵な一枚といえるけれど、
残念なことに廃盤のまま、けっこうな月日が経っているし、
それだけでなくTIDALでもQobuzでも配信されていない。

11月半ばにドイツ・グラモフォンからグルダのCDボックスが発売になる。

ドイツ・グラモフォン、アマデオ、デッカ、フィリップス、アコールなどへの録音をおさめたもので、
CD84枚プラスDVDという内容。

今回初めてCD化された録音もある。そしてモンペリエでのライヴ録音も含まれている。

Date: 10月 9th, 2025
Cate: 「オーディオ」考

「音は人なり」を、いまいちど考える(その29)

(その28)で、
腐らないために必要なことは、才能とか自信とかではなく、
結局、覚悟のみだと思う。
覚悟を持って立つことだけが、腐らずにオーディオをやっていける、
と書いた。

腐らないにこしたことはないが、それでも腐ることはあるだろう。

腐ってしまったら、腐ったところを切り捨てるしかないだろう。ここでも切り捨てる覚悟が必要となる。

オーディオにおいて切り捨てるとは、どういうことなのか、それを考えることからも目を逸らしてしまうのもいいだろう。

趣味だから──、と覚悟なしにやっていけばいいだけのことだ。
そのこともまた「音は人なり」なのだから。

Date: 10月 9th, 2025
Cate: スピーカーの述懐

スピーカーの述懐(その64)

そのオーディオマニアは、宿題としてのスピーカーを持っているのか、持っていないのか。

ここでの持っている持っていないは、物理的に所有しているがどうかとは関係ない。

Date: 10月 8th, 2025
Cate: 598のスピーカー
1 msg

598というスピーカーの存在(その38)

598戦争といえた時代の国産スピーカーシステムは、何を目指していたのだろうか──、
といまになっても考える時がある。

その37)で、ステレオサウンド 44号での、井上卓也、山中敬三、両氏の新製品紹介での対談を引用したが、
これを読み返して、ふと浮かんできたのは、
ブロイラースピーカー、ブロイラーオーディオだった。

スピーカー、オーディオの前に、ブロイラーというひどい言いぐさだな、と自分でも思いながらも、
この時代の598スピーカーは、ブロイラースピーカーと呼ばれてもおかしくない。

この時代の598スピーカーを知らない世代には、
ブロイラースピーカーと言った方が、通じやすいかもしれない。

同時に、この時代の598スピーカーだけに当てはまることだろうか。
ハイエンドブロイラースピーカー、ハイエンドブロイラーオーディオ、
そんな影があるように感じるし、濃くなってきているような気さえすることもある。

Date: 10月 7th, 2025
Cate: ステレオサウンド

ステレオサウンド 236号(その3)

菅野先生時代の「ベスト・オーディオファイル」は、64号から始まっているから、CD登場前夜といえる。
64号は1982年9月発売、CDは10月に登場している。

このことも「ベスト・オーディオファイル」をまとめて読んでいくと興味深く感じられる。
少しずつ「ベスト・オーディオファイル」のリスニングルームにも、CDプレーヤーが導入され、登場するようになっていく。

当時はそんなふうには思いもしなかったが、いま振り返ると、なかなかの資料でもある。

無理を承知でいえば、十四年間続いた「ベスト・オーディオファイル」を全てまとめたムックを出してほしいと思うくらいだ。

そんな「ベスト・オーディオファイル」を楽しみに読んできた人にとって、236号の特集は、どうだったろうか。

物足りなく感じた人もいるように思う。
236号だけで終ってしまうのであれば、物足りなさを感じるし、もったいないとも思う。

毎号連載しろとは言わないし思わないが、定期的にやっていくことが大事だと思うからだ。

236号だけで終ってしまえば、別項「管球王国の休刊」で書いている傅 信幸氏の同軸型スピーカーの試聴記事と同じでしかない。
あと一歩の踏込みがあれば面白くなるのに、その一歩に気づかないのか、
気づいているのに、あえてやらないのか。

そのへんの事情は知らないが、236号の特集は一号限りなのか、それとも続きが読めるのか。

Date: 10月 6th, 2025
Cate: 老い

老いとオーディオ(2026年)

今年も三ヵ月足らずで終る。
来年は2026年。

私が「五味オーディオ教室」と出逢ったのは1976年秋だったから、来年で五十年になる。
そしてステレオサウンドは1966年創刊だから、来年は創刊60周年となる。

ステレオサウンドは創刊60周年記念特集をやるだろうが、私は五十年経ったからといって、
何か特別なことやったり、起ったりもないように思う。

それでもほぼ一年前となった、この秋、あれこれおもうことはある。

Date: 10月 5th, 2025
Cate: 音の良さ

アキュフェーズ A20Vのこと(続余談)

アキュフェーズのパワーアンプのリアパネルの両端には、プラスチック製のプロテクターといえるモノが取り付けられている。

アキュフェーズのウェブサイトで見ると、コントロールアンプやプリメインアンプにはないが、
パワーアンプには、今も取り付けてある。
A20Vにもある。

これを指で弾くと中は空洞だとわかる。それに安っぽい音がする。
これを取り外すと、音は変るのはわかっていても、そのままにしていた。
外すのは簡単だ。上下二本のネジで止まっているだけだから、プラスドライバーがあれば、すぐに外せる。

10月1日のaudio wednesdayでは外した。外した音を聴いてもらっている。
外すことを勧めはしないが、このくらいのことでも音は変化する。

取り付けてある、いわば標準の音、
外した状態の音があり、中間に、このプラスチック製プロテクターの空洞に綿など詰めた音がある。

A20Vの、この部分は安っぽいつくりだが、
現在のモデル、上級機ではしっかりしたつくりになっているのだろうか。

Date: 10月 4th, 2025
Cate: オーディオの「美」

人工知能が聴く音とは……(その9)

ジョディ・フォスター主演の映画「コンタクト」を観終って、ある映画を思い出した。
ティム・バートン監督の「バットマン リターンズ」だ。

「バットマン リターンズ」では、あるシーンのバットマンをCGで描こうとしていた、と、その時のニュースは伝えていた。
結果は、映画関係者から猛反対を喰らって妥協した──、そんな内容の記事だった。

「バットマン リターンズ」の公開は1992年、
「コンタクト」の公開は1997年。
どちらも映画館で観ている。

「コンタクト」の終盤、ジョディ・フォスター演じる主人公が、地球外知的生命体と出逢うシーンがある。
この時のジョディ・フォスターの表情は、なんと表現したらいいのか。
こういう表情が人にはあるんだ、と思っていた。

そして映画館を出て、こんな表情を生み出すことがCGでは可能なのだろうか、と考えていた。
ジョディ・フォスターだから可能だった表情を、ゼロからCGでつくり出せるのか。

ジョディ・フォスターと同じレベルの演技ができる人ならば、CGでつくり出せるかもしれないが、
そうでない人、どんなにCGの作成に長けた人であっても、あの表情はつくれない、というよりも思いもつかないだろう。

このことを思い出してのは、ここ数日、生成AIによる女優の誕生のニュースが話題になっているからだ。

Date: 10月 2nd, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第二十二夜(Vitavox CN191 Corner Hornで聴く)

11月5日のaudio wednesdayは、すでに告知している通り、ヴァイタヴォックスのCN191を鳴らす。

CN191がよく鳴っているのを、これまで聴いたことがない。
それでも鳴らしてみたいスピーカーの筆頭でもある。

野口晴哉氏のリスニングルームにあるスピーカーは、
ウェスターン・エレクトリックの594Aを中心としたシステム、
シーメンスのオイロダイン、ウェストレックス・ロンドンは、いずれも部屋に組み込まれているため、
スピーカーの置き方をあれこれできるわけではない。

CN191はコーナーに置かれている。
コーナー型スピーカーだから、野口晴哉氏のリスニングルームでは、
そこしかないという位置にある。

シーメンスやウェストレックス・ロンドンがある面から90度横を向く位置にある。

これまで野口晴哉氏のリスニングルームは横長での鳴らし方だったのが、CN191では縦長での鳴らし方となる。

それに左右のCN191のあいだには、ブリュートナー (Blüthner)のグランドピアノがある。

とにかくこれまでといろいろ条件が違う。
どんな音が聴けるのだろうか、という期待と、どこまで鳴らせるだろうか、というおもいもあったりする。

それでもCN191は、秋にじっくりと聴きたいスピーカー(音)というイメージがある。

Date: 10月 2nd, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その9)

やはり今回のインターナショナルオーディオショウの今井商事のブースでの是枝重治氏の回は、
ヴァイタヴォックスのCN191を鳴らされる、とのこと。

ヴァイタヴォックスの復活が決まって、今年で十二年。
今井商事のブースで、スピーカーユニットの展示はあったけれど、
スピーカーシステムを鳴らされることはなかった。

それが、今回のショウでCN191が聴ける。
いままではやってこなかったのに、今回はどうしたのだろうか、と思ってもいた。

今井商事がCN191を、ついに取り寄せたのか。
あまりやる気の感じられない今井商事なのに、急にどうしたのだろうか? と思う人は、私の他にもいるはず。

今回のCN191は、是枝重治氏が持ち込まれるモノだそうだ。しかもそのために中古のCN191を仕入れてのこと。
アンプは、是枝重治氏製作のモノが予定されている。
数多い是枝アンプの中から、どれになるのかはまだ決まっていないらしい。

是枝アンプで鳴らされるCN191の音に全く興味を持てない人もいてもいい。
それでも少しでもいいから、できれば若いうちに体験してほしいと思うし、
こういう企画こそ、これから少しでもいいから増えていってほしい。