Archive for category ブランド/オーディオ機器

Date: 1月 7th, 2020
Cate: BBCモニター

BBCモニター、復権か(音の品位・その9)

大辞林には、教養とは次のように記してある。
(1)おしえそだてること。「父は其子を—するの勤労を免かれ/民約論(徳)」
(2)社会人として必要な広い文化的な知識。また,それによって養われた品位。「—を身につける」
(3)〔英 culture; (ドイツ) Bildung〕
単なる知識ではなく,人間がその素質を精神的・全人的に開化・発展させるために学び養われる学問や芸術など。

教養ある音の「教養」とは、三番目か。
単なる知識ではなく、とある。
スピーカーの音にあてはめれば、単なる情報量ではなく、ということになろうか。

情報量ということでは、
1970年代から1980年代にかけてのBBCモニターよりも、
同クラスの現代のスピーカーシステムのほうが、上であるモノが多い、といえよう。
それに情報量の多さだけでなく、精度の高さでも、上といえよう。

古いスピーカー(に限らず古いオーディオ)をまったく認めない人たちからすれば、
私が教養ある音といっている音を出してくれるスピーカーは、
情報量の少なさを、
教養ある音、という、ひじょうに曖昧な、正体不明の音でごまかしているだけではないか──、
そんな声が挙ってもこよう。

現代の優れたスピーカーの視点からすれば、
足りないところもあったといえるのは、事実である。

1970年代に登場したBBCモニターとその系列のイギリスのスピーカーシステムは、
現在のスピーカーからすれば、制約もいくつかあった。

四十年間に、スピーカーの技術は進歩している。
けれど、音、それも音の品位ということではどうだろうか。

《人間がその素質を精神的・全人的に開化・発展させるために学び養われる》音といえるだろうか。

Date: 1月 6th, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その8)

218(version 7)の音(結果)には満足(納得)しているが、
一つだけ、えっ?、と感じたこともあった。

11月のaudio wednesdayで、version 5で、ACの極性によって音がどの程度変化するのか聴いてもらった。
12月はやらなかった。
1月、version 7でAC極性の音の違いを聴いてもらった。

version 7は当日仕上げたため、
音を聴くのはaudio wednesdayでが初めてだったのはすでに書いたとおり。
AC極性による音のチェックは、なんとなく試しにやってみよう、と思った程度だったのだが、
音の違いの大きさは、version 5よりもはっきりと大きくなっていた。

えっ?、と感じたのは、聴感上の音量もはっきりと違って聴こえたことも関係している。
ここまでACの極性による音の変化は、あまり体験していない。

メリディアンの218の電源は、コーセルの汎用のスイッチング電源である。
小型で、特に音質的配慮がなされた部品ではない。

それでも、これだけの音がするのか、と逆に感心するのだが、
今回の音の違いの大きさは、そういうスイッチング電源だからなのだろうか。

いまのところなんともいえないのだが、
version 8以降で、このあたりのことがどう変化していくのかも興味津々である。

Date: 1月 5th, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その7)

私が手を加えた最初のメリディアンの218、
つまり218(version 1)は、audio wednesdayでは鳴らしていない。

audio wednesdayでは、10月にversion 2、11月にversion 5、
12月にversion 6、1月にversion 7を鳴らしている。

version 1では、ものの十分ぐらいで終る簡単なことを施している。
それでも、音の変化は小さくなかった。

version 1での成果を元にversion 2、3……とやってきたわけではない。
version 1の時点でやろうと考えていたことを、順をおってやっているだけである。

version 1で一度にやってしまってもよかったし、
そのほうが手間が省けるわけだが、
それでは音の変化量が大きすぎて、やる者としても学べることが少なくなってくる。

version 1では、多く変化しそうなところにまず手を加えた。
だからこそ段階を踏んで確実に音はよくなってきた、ともいえる。

version 7でやったことを最初にやっていては、
最終的には同じになったとしても、audio wednesdayで音を聴いてもらうのであれば、
それでは面白みに欠ける、というか、聴いてくれた人の参考にはあまりならないように思う。

version 7で、最初にやろうと考えていたことはほとんどやっている。
version 8からは、カット・アンド・トライにやっていく。

2月のaudio wednesdayでは、218(version 8)になっている予定。

Date: 1月 3rd, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その6)

オーディオ用として売られているスイッチングハブを介せば、
218をネットワークに接続した状態でも、音質の低下は極力抑えられるのであろう。

たとえばテレガートナーのM12 GOLD IE SWITCH
こういう製品を使えば使い勝手との両立が、高い次元で可能になるのかもしれない。

M12 GOLD IE SWITCHを自宅試聴した人の話では、そうとうに優れた製品とのこと。
そうだろうな、とは思う。

でもM12 GOLD IE SWITCHは、218の三倍ほどの価格である。
試聴という一つの実験としての218とM12 GOLD IE SWITCHの組合せは、とても興味がある。
それで非常にいい結果が得られたとしても、
218とM12 GOLD IE SWITCHの組合せを自分で使ったり、誰かにすすめたりするかといえば、
それはしない、と断言できる。

これがもっと高価なD/Aコンバーターであれば話は違ってくるが、
218は125,000円である。

だから、ここぞ、というときにだけLANケーブルを外して聴く、というやり方を私はとる。

Date: 1月 3rd, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その5)

218と接続しているWiFiルーターはポータブルだから、バッテリーを内蔵している。
ACアダプターを外しても動作する。
なので、これも試してみる。

ここでも音は変化する。
ACアダプター使用よりも、聴感上のS/N比がわずかとはいえ向上する。

こうなると次にやることは一つだ。
LANケーブルを218から外すこと、
ネットワークから切り離すことである。

あきらかに見とおしのよい音場になる。

218をD/Aコンバーターとして使うのであれば、こういう使い方でもいい。
でも、audio wednesdayでは、
218とマッキントッシュのMA7900パワーアンプ部と直結している。
MA7900のコントロールアンプ部をパスする使い方である。

だからこそ218をZone controllerとして使っている。
LANケーブルは接ぎっぱなしのほうが、便利である。

レベルコントロールもトーンコントロールも極性の反転も、
iPhoneからすぐさま行える。
それでもネットワークから切り離した218の音は、
一度聴いてしまうと、なんとかしなくては、と考えることになってしまう。
だから、聴かない方がいい、というのだ。

でも聴いてしまった。
218の操作をする必要があればLANケーブルを接続し、操作が終ったらケーブルを抜く。
こういうことは面倒であるが、
本気に聴きたい時は、こういう手もある。

1月1日のaudio wednesdayでのバーンスタインのマーラーの第九では、
ネットワークから切り離している。

Date: 1月 3rd, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その4)

メリディアンの218をD/Aコンバーターとしてではなく、
Zone controllerとして積極的に使っていくのであれば、
iPhoneにIP Controlをインストールして、そこから行うことになる。

そのためには218とiPhoneが同一ネットワークにあることが条件で、
218とルーターとはLANケーブルで接続しておかなければならない。

218とiPhoneが音楽信号をやりとりしているわけではないが、
LANケーブルを接続することで、音が変化しないわけではない。

このことは前々から感じていたことなのだが、
あえてLANケーブルを接続した音、外した音を比較試聴することはしなかった。
接続したことで多少なりとも音質の低下を、自分の耳で確認してしまうと、
そのことが気になってしまうからで、
気になるようなことは、あえて聴かないというのも、一つの手法と思っている。

でも結局は試してみるわけで、
1月1日のaudio wednesdayでやってみた。

喫茶茶会記では、店主の福地さんが使っているパソコンの場所と218とは離れている。
つまり218のある部屋まではLANケーブルは敷かれていない。
なのでWiFiを利用することになるわけだが、
そうすると218にはWiFi機能はないから、ポータブルのWiFiルーターで喫茶茶会記のWiFiに接続し、
このクレードルからLANケーブルで218と接続している。

なのでiPhoneは喫茶茶会記のWiFiに直接ではなく、
WiFiルーターのほうへアクセスするかっこうだ。

試しにWiFiルーターのACアダプターの極性を変えてみる。
オーディオとは別系統のコンセントからとっているのだが、
それでも音の変化は、誰の耳にも明らかな違いがあった。

Date: 1月 2nd, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その3)

メリディアンの218については、40本ほど書いている。
すべてきちんと読んでくれている方ならばわかってもらえているだろうが、
218(normal)は、実にいいD/Aコンバーターだ、ということだ。

私が手を加えた218と比較試聴すると、そこには音の違いがある。
だからといって、手を加えなければ218は、きちんとした音がしないのか、ということではない。

今回半年ぶりほどに、218(normal)の音を聴いて、
やっぱりいい音だな、と感じていた。
これで125,000円(税抜き)である。

メリットとは感じない人も少なくないようだが、218はA/Dコンバーターも備えている。
ちょくちょく使う機能ではないが、あれば便利である。

なかには、A/Dコンバーターは外して、もっと安くしてほしい、とか、
もっと音が良くなるんじゃないか、というだろうが、
218のコンセプトは、そういうところにあるのではない。

218で初めてMQAの音を聴かれた方は、なぜいじるのか、と思われるかもしれない。
それでも、私は何度も手を加えてきている。

それは218は、もっと良くなる、という可能性を感じ、信じているからだ。
そしてもうひとつ。
バーンスタインのマーラーの第九、
こういう音楽を私は聴きたいからだ。

218(normalの音は、バーンスタインのマーラーの第九を聴くには、若干あまい。
こんなふうに表現すると、また誤解を受けそうなのだが、
細部をいいかげんに描写している、という意味でのあまい、ではない。

そんな音しかしない製品だったら、私は手を加えていない。
私が、バーンスタインのマーラーの第九に必要と感じている表現力、描写力、
これらを218から抽き出すためにやっているだけのことだ。

おそらく昨晩のaudio wednesdayで、
バーンスタインのマーラーの第九を聴かれた方ならばわかってくれている、と信じたい。

Date: 1月 2nd, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その2)

昨晩のaudio wednesdayで鳴らしたメリディアンの218は、
version 7と呼んでいる個体だ。

当日の午後から218に手を加えていた。
それか済んでブログを書いて公開したら、
多少の時間の余裕はあったけれど、ここで218をシステムに接続して、
その音を確認していたら、出掛ける時間を軽くすぎてしまうのは目に見えていたから、
聴かずにバッグにつめて、喫茶茶会記に向う。

つまりversion 7の音は、audio wednesdayで、
来られた方たちと一緒に初めて聴くことになる。

しかも、今回は常連のHさん(神戸市)が、218を持参されていた。
Hさんの218は、ノーマルの218である。

218(version 7)と218(normal)との比較試聴ができる。
以前、喫茶茶会記の218(version 4)と、
その時点での最新版である218(version 5)との比較試聴はしたことがある。
いまは喫茶茶会記の218はversion 6である。

218(version 7)に自信はあっても、音だけは聴かないことには何も言えない。
結果については、こまかいことを一つ一つ書いたところで、
読まれる方にとっては、私の単なる自慢話にしかならないのではないか。

いまの私の手元には、218が二台ある。
一台は218(version 7)であり、もう一台は218(normal)である。

audio wednesdayが終って、Hさんから「お願いします」といって渡された。
昨晩の最後にかけたバーンスタインのマーラーの第九を、
この二台の218で聴いた人ならば、誰もが2158(version 7)を選ぶ。
Hさんがそうだったように。

Date: 12月 17th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

メリディアン ULTRA DACを聴いた(ステレオサウンド 213号)

一年前に「メリディアン ULTRA DACを聴いた(ステレオサウンド 209号)」を書いた。
ベストバイが特集のステレオサウンド 209号で、
メリディアンのULTRA DACは、黛健司氏の星一つだけだった。

それからの一年、
218が登場し、210号の新製品紹介で、山本浩司氏が担当されていた。
なかなかの高評価だ、と私は読んだ。

けれど山本浩司氏は、ベストバイの選考者ではない。
なので、218はベストバイで、星一つもとれない可能性がある──、
そう予想していたけれど、外れてほしい、とも思っていた。

結果は、218はベストバイとして選ばれていない。
ULTRA DACは、今年も黛健司氏の星一つだけである。

こちらも予想通りの結果でしかない。

いまはどうなっているのだろうか。
私がいたころは、ベストバイに選ばれなかった製品は、翌年の候補から外れてしまう。
いまもそのままだとしたら、
メリディアンの218は、今後ベストバイに選ばれることはないことになる。

Date: 12月 16th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その1)

別項「2,500,000円と125,000円(その7)」で、
なかば冗談で、ULTRA DACには届かなくても、SUPER DACと呼べるレベルには達した──、
そんなことをつい言ってしまった、と書いているし、
2019年をふりかえって(その14)」でも、SUPER DACを使っている。

思いつきで言ってしまったSUPER DACは、けっこう気に入っていた。
でも、ULTRA DACとSUPER DACとでは、
ULTRA DACが上で、SUPER DACはその下に位置するような印象もある。

218にどれだけ手を加えたところで、ULTRA DACに化けるわけではない。
それにULTRA DACとはコンセプトが違うのが218ともいえる。

となると、SUPER DACではなく、もっと218にぴったりとくる表現があるような気もしていた。

昨晩は、audio sharingの忘年会だった。
いろんな話をしていて、ふと気づいた。
SUPER DACではなく、WONDER DACこそが、218にぴったりだ、と。

私にとってのメリディアンの218は、WONDER DACをめざす。

Date: 12月 12th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その7)

今日の午前中、喫茶茶会記に行ってきた。
メリディアンの218にさらに手を加えてきた。

これで12月のaudio wednesdayで鳴らした218と同じになった。
さらにD/DコンバーターのFX-AUDIOのFX-D03J+にも手を加えてきた。

今日は、MCD350のデジタル出力と218を接続しての音だけをチェックしてきた。
FX-D03J+を通して、USB出力の音はまだ聴いていない。

1月のaudio wednesdayでは、たぶんFX-D03J+を使う予定だし、
その時には、218も、また少し変っている予定だ。

Date: 11月 20th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その16)

出てきた音に可能性を感じたのであれば、
その可能性を最大限に抽き出したい、と思う私だ。

その可能性の抽き出し方は、同じように思う人の数だけ違ってくるはずだ。
私は、今回の218に行った手法をとる。

今回の218で、218の可能性を最大限に抽き出した、とはまだ思っていない。
まだまだ良くなる、という予感がある。

それでも、今回の218の結果には、満足している。
その上で、ULTRA DACの2,500,000円と218の125,000円をどう捉えるか。

こうなるとオーディオ機器にまったく手を加えない人と私とでは、
ULTRA DACと218の価格の大きな違いに対しての捉え方はそうとうに違ってくるはずだ。

出てきた音がすべてだ、と書いている。
そうである。
出てきた音がすべてなのだが、
出てきた音に可能性を強く感じたのならば、
評価の前提条件が違うのであれば、そのオーディオ機器の評価もまた違ってくる。

ここで難しいのは、ではどうやって出てきた音に可能性を聴くという方法についてだ。
こういう聴き方をすれば、出てきた音に可能性を感じとれる、という確実な方法はない。

無責任といわれようが、そうとしかいえない。
直感がすべて、である、としかいえない。

もちろん、そこでの直感をより確かなものにするためにいくつかのことを試したりはするが、
直感がまずあってのことだ。

そして、この直感は単なる山勘ではない。

Date: 11月 13th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その15)

メリディアンの218は、手を加えるたびに、音が澄明になっていく感がある。
透明度が増していく、という感じではなく、澄んでいく音という雰囲気を漂わす。

私は218のキャラクターをいじろうとはまったく思っていない。
そう考える人は、218の部品を交換したりするのだろうし、
信号ケーブルや電源コードにしても、個性的な音の製品を選んでいくのだろう。

私は、ただただ218の可能性を抽き出したい、それだけを考えている。
今回の218における、その試みは成功した、といえる。

手を加えることは、自己満足で終りがちである。
audio wednesdayのような場で、比較試聴するということは、
あまりないのではないか。

自信はあっても、やはり音が出るまでは内心どきどきしている。
たいして違わなければ……、
そのぐらいだったらまだいいが、音が悪くなっていたら……、
その可能性だってなくはない。

218と218の比較試聴なのだから、いいわけはできない。
そんなそぶりは見せずに、鳴らす。

喫茶茶会記の218よりも、今回の218は、音が澄明である。
だから、音楽の表情が濃やかになる。
それにみずみずしい音でもあった。

喫茶茶会記のスピーカーはアルテックの2ウェイに、
JBLの075を追加した、変則的な3ウェイである。

なのに、といったら、アルテックに惚れ込んでいる方たちに失礼になるだろうが、
ラドカ・トネフの歌声が、こんなにもみずみずしく鳴るのか、と驚く。

マッキントッシュのMCD350とMA7900の組合せからは、どうやっても出せなかった音が、
いとも容易く出てきてしまった。

今回はトランスポートとしてMCD350を使い、
218の出力はMA7900のパワーアンプ入力に接続して、
ボリュウム、トーンコントロールは218で操作した。

Date: 11月 12th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その14)

喫茶茶会記の218と今回の218の音を違いを聴いて、
audio wednesdayに来られた人たちは、
今回の218は、そうとうに手を加えたモノだ、と思われたかもしれない。
そのくらいの音の違いは、はっきりとあった。

聴いた人、みな驚いていたけれど、
いちばん驚いていたのは私だ。

私だけが、喫茶茶会記の218と今回の218の、手の加え方の違いをわかっているのだから。
ノーマル(つまり手を加えていない)218と喫茶茶会記の218の音の違いは、
きちんと把握している。

ノーマルの218と喫茶茶会記の218の音の違いも小さくはない。
手を加えていない218と手を加えた218なのだから、その音の違いの大きさは、
いわば当然といえることだ。

けれど今回の218は、ノーマル218と喫茶茶会記の218の違いが、
さらに大きくなったように感じられた。

喫茶茶会記の218と今回の218の、手の加えた方の違いで、
これだけの違いが生じる、ということに、驚くとともに、
218の優秀さを実感もしていた。

ここがデジタル機器の面白さである。
基本性能は218もULTRA DACも基本的に違いはない。

だからこそ、手を加えていくことで、ノーマルの218との違いが出てくるわけだ。
おそらくULTRA DACで、218に施したことをやったとしても、
ここまで音の違いは生じないように思っている。

218の音は、つくり込まれているわけではない。
それだからこその面白さがあり、
この面白さを加味すれば、218こそベストバイという気もしてくる。

Date: 11月 12th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その13)

11月6日のaudio wednesdayに来た人が驚いたのは、
喫茶茶会記にあるメリディアンの218ではなく、
もう一台の218の音に対して、である。

喫茶茶会記の218にも私の手が加わっている。
ちなみに写真家の野上眞宏さんのところの218もそうである。

この二台の218は、ほぼ同じ手の加え方をしている。
この二台を比較試聴したことはないけれど、そう大きく音は変らないはずである。

今回喫茶茶会記に持ち込んだ、もう一台の218は、さらに手を加えている。
喫茶茶会記の218、野上さんの218にも、やらなかったことを施している。

さらにこまかい作業になり、二三度やりなおしているぐらいなので、
施さなかった、というわけである。

今回は、どこまで218は良くなるのか、
しかも喫茶茶会記の218と同条件で直接比較できる。

本音は、半分、私自身の腕試しの意味あいもあった。
前日の夜に作業を行った。
なので、私の部屋では音を聴いていない。

私も、今回の218の音を聴くのは、audiowednesdayで、来られた方と一緒なのが初めてである。
喫茶茶会記と野上さんのところの218も、かなりいい音に仕上がっている。

それとどこまで違うのか。
たいして違わなければ、そこまでやる必要はあまりない、ということになる。
喫茶茶会記の218を聴いて、今回の218に交換する。

置き場所、設置条件、電源コードすべて同条件で比較試聴した。
自信はあったが、音ばかりは聴かないことにはなにもいえない。

能書きだけはいっぱいあっても、出てくる音がさほど違わなければ、
それまでの評価に終ってしまう。

自信はあったが、ここまで違う(良くなっている)とは、予想を超えていた。