オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(サービス業なのか・その7)
K+HのO500Cは、きわめて優秀なだけに留まらぬ魅力ある音を聴かせてくれるかもしれない。
そうだとしたら、私は聴き終ってどう思うだろうか。
測定データの優秀さを、そこで思い出すのかどうか、である。
(その5)へのコメントがfacebookにあった。
そこには、測定データをみていろいろ考えて、
その上でそのことを思わなくなるような音が聴ける、というの素晴らしいことだと思う、とあった。
このコメントがなくても、K+HのO500Cについて書くつもりだった。
O500Cの測定データを見て、当時、私はいろいろ考えていた。
O500Cは聴いていないからこそ、
このコメントはそうなんだよなぁ、とひとりで頷いてもいた。
コメントには、続けて、
素晴らしい音を聴いたあとで測定データをみて、
こんなだったのか、と思うのもまた楽しい、とあった。
これもそのとおりである。
ステレオサウンドは、以前スピーカーもアンプもアナログプレーヤー、カートリッジも測定をやっていた。
長島先生が、他ではやっていない測定方法を考え出しての測定もあった。
それらの測定データをみて、いろいろ考えるのも楽しい。
新技術を採用したモデルの場合だと、いろいろ考える楽しさはさらに増す。
そうなのである。
私の場合、測定データは、いろいろ考えるためにある。
音を判断するためにあるわけではない。