マーク・レヴィンソンがマークレビンソンの次に興したチェロのコントロールアンプにEncoreがある。
小改良が施され、Encore 1MΩとなった。
型番末尾の1MΩが表しているように、ライン入力のインピーダンスを1MΩに変更したモデルである。
ライン入力のインピーダンスは以前は100kΩ、50kΩ、47kΩが一般的だったが、
たいていのコントロールアンプはライン入力からの信号は入力セレクターの次にはボリュウムが来る。
このボリュウム(ポテンショメーター)のインピーダンスがそのまま入力インピーダンスとなる。
高域特性を考慮するとこの値は低い方が有利である。
ただあまり低すぎると、CDプレーヤー、チューナー、テープデッキといった、
ライン入力に接続される機器にとっては負荷として適当とはいえなくなるので、
10kΩあたりで低い方は落ち着いている。
Encore 1MΩは1MΩという高いインピーダンスのボリュウムを採用したのではなく、
ボリュウムの前に1MΩという高い入力インピーダンスをもつバッファーアンプを設けて実現している。
その改良(変更)点を、型番の末尾に1MΩとつけることでアピールしている。
マーク・レヴィンソンらしい型番のつけ方のうまさ(ずるさかもしれない)である。
いかにもEncore 1MΩ以前に、
これだけの高入力インピーダンスのアンプはなかったかのように思わせることができるし、
事実、そう思ってしまった人を知っている。
けれど、ヤマハはC2の改良型C2xにおいて、CDプレーヤーの入力に関してはバッファーアンプを追加して、
2.2MΩという、Encore 1MΩよりも数年早く、しかも2倍以上の高入力インピーダンスをやっていた。
けれど型番のどこにも高入力インピーダンスを謳ってはいない。
最初のC2からC2aに、C2xになったわけだが、型番からはどういう変更点があったのかはわからない。
それに最近オーディオを始めた人にとっては、
C2が最初のモデルということはわかっても、次がC2aなのかC2xなのかははっきりとしない。
このことはアキュフェーズのC200、P300についても同じことがいえる。
このシリーズは末尾にS、X、Lがつくように改良されていったが、
アルファベットの順序に従えば、L、S、Xというふうになっていったと思われる。
もっと型番のつけ方がうまくなってほしい。