Date: 4月 21st, 2014
Cate: アナログディスク再生, 型番
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型番について(その30)

空気の力でターンテーブルプラッターを一定速度で回転させるには難しい面があるのは容易に想像できる。
それに空気の力でスムーズに回転させられるようになったとしても、
起動時の問題が残るはずだ。

軽量のターンテーブルプラッターであれば少ない力でも静止状態から動き出すけれど、
テクダスのAir Force 1や、これまで音が良いとされてきたプレーヤーのターンテーブルプラッターは、
たいていが重量級である。

重量級のターンテーブルプラッターを静止状態から動かすには、けっこう大きな力を必要とする。
おそらく空気の力でそれを実現するのはさらに困難なことだろうと想像がつく。

でもいいじゃないか、とも思う。
いまアナログディスク再生に、これだけのプレーヤーを手に入れようとする人ならば、
これまでどのプレーヤーでも鳴らすことができなかった音の領域を提示してくれるのであれば、
起動時に使い手が手動で勢いをつければ、問題は簡単に解決する。

この一手間を面倒だと感じる人は、そもそも今の時代にアナログディスク再生にこれほどの情熱をかけたりはしない。
もっと普及価格帯のプレーヤーであれば、
どんな人が使っても常に一定性能が発揮できることが重要になるけれど、
数百万円もするアナログプレーヤーは、そういうことを無視しようと思えばできる位置に、いまはある。

Air Force 1という型番は、それほどいい型番とは思えない。
それでもどういうプレーヤーであるのかを表しているから不足のない型番とはいえる。
型番を変えたほうがいい、とはいわない。

いいたいのは、製品の内容から型番がつけられる。
今度はその型番の意味をもう一度考え直すことで、
その型番がつけられた製品の目指す方向が見えてくるのではないか、ということ。

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