JBL 4320(その2)
JBL・4320は、いまのところ聴く機会がない。
4331、4333は何度かあったけれど、4320は見かけるだけで終ってしまっている。
ユニット構成、エンクロージュアから安直に判断すれば4320は、4331を聴けば十分だろう、ということになる。
けれどほんとうにそうのだろうか。
ステレオサウンド 62号には、井上先生による「JBLスタジオモニター研究」が載っている。
4320について書かれている。
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余談ではあるが、当時、4320のハイエンドが不足気味であることを改善するために、2405スーパートゥイーターを追加する試みが、相当数おこなわれた。あらかじめ、バッフルボードに設けられている、スーパートゥイーター用のマウント孔と、バックボードのネットワーク取付用孔を利用して、2405ユニットと3105ネットワークを簡単に追加することができたからだ。しかし、結果としてハイエンドはたしかに伸びるが、バランス的に中域が弱まり、総合的には改悪となるという結果が多かったことからも、4320の帯域バランスの絶妙さがうかがえる。
ちなみに、筆者の知るかぎり、2405を追加して成功した方法は例外なく、小容量のコンデンサーをユニットに直列につなぎ、わずかに2405を効かせる使い方だった。
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このことが、62号を読んだ時にひっかかった。
4320と4331が同じような音(性格)のスピーカーだとしたら、
2405の追加はJBL純正のネットワークでうまくいくはず。
なのに、井上先生は
「例外なく、小容量のコンデンサーをユニットに直列につなぎ、わずかに2405を効かせる使い方」とされている。
4331に2405を追加した4333のネットワークは、そういう仕様にはなっていない。
けれどうまくいっている。
ということは4320と4331は、見た目こそよく似ているけれど、ずいぶんと性格に違いがあるのではないか。
井上先生の記事を読んで、そう思うようになった。