型番について(その28)
ステレオサウンド 55号のアナログプレーヤーの試聴で、
瀬川先生はAir Forceの原点ともいえるマイクロの糸ドライヴ、RX5000+RY5500で、
二連ドライヴということをやられている。
RX5000+RY5500という型番は、
RX5000というターンテーブルユニットとRY5500というモーターユニットからなる。
二連ドライヴとはRX5000を二台用意して、レコードを載せる(実際の再生に使う)RX5000とRY5500のあいだに、
もう一台のRX5000を介在させるというものである。
モーターからターンテーブルプラッター、
ターンテーブルプラッターからもうひとつのターンテーブルプラッターへ、と回転は伝えられる。
なんと無駄なことを……、と思う人もいるけれど、
これは少しでも回転を滑らかにするための手段である。
お世辞にもスマートな手段とはいえない。
RX5000+RY5500は、それでなくとも使い手の技倆に頼っているところの多い製品であり、
いいかげんな使いこなし・調整ではいい結果は得られない。
そういうアナログプレーヤーであるRX5000+RY5500に、さらに調整箇所を増やすわけである。
置き場所の確保も二連にすれば大変になる。
それでも二連ドライヴにする価値はあるのだろうか。
瀬川先生はRX5000+RY5500の試聴記に書かれている。
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二連駆動で、AC4000MCをAX7G型アームベースにとりつけて、調整を追い込んだときの音は、どう言ったらいいのか、ディスクレコードにこんなに情報量が刻み込まれていたのか! という驚きである。音の坐りがよく、しかも鮮度高く、おそろしくリアルでありながら聴き手を心底くつろがせる安定感。マニアならトライする価値がある。
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通常の使用方法では決して得られない音の領域が姿を現してくる。