Archive for category 型番

Date: 11月 24th, 2016
Cate: 型番

ヤマハの型番(続・Cの意味)

ヤマハの型番について、facebookでコメントがあったし、メールもいただいた。

CA、CT、CRのCはコンポーネント(component)を意味しているのではないか、とあった。
コンポーネント説は私もそう思ったことがある。
そうだとしたら、スピーカーやアナログプレーヤーもコンポーネントのひとつであるわけだから、
スピーカーならばCS、アナログプレーヤーならばCPとつくはずだから、違うようにも思いながらも、
メールにあったように、CAの型番を使うようになった当時は、
まだまだセパレートステレオが主流だった。
ゆえにコンポーネントを強調していたのかもしれない。

正確なところはわからない。

スピーカーユニットのJAに関しては、ほんとうに?である。
ヤマハはもとは日本楽器だった。
直訳すれば、Japan Instrument、
その流れで日本音響の直訳でJapan Audioだとして略すればJAという可能性、
もしくは部品番号が、そのまま製品の型番に使われたのではないか、という指摘があった。

スピーカーユニットは、ある意味、部品といえなくもない。
部品番号から来ているのだろうか。

型番の意味がわかったところで、
何か得るものがあるかといえば、何もない。
型番の意味を知らなくても、特に困ることはない。

それでも型番には、なんらかの意味がある。

私が中学生だったころ、
マーク・レヴィンソンが目標だった。
LNP2をこえるアンプをつくる、と思っていた。

回路の勉強をする前に、パネルデザインのスケッチ(落書きレベルだった)とともに、
型番もあれこれ考えていた。

かっこいい型番とそうでもない型番がある。
かっこいいアンプをつくりかった。
デザインだけでなく、型番も、である。

なので、型番について知りたいと思う気持は、人よりも強いのかもしれない。

Date: 11月 23rd, 2016
Cate: 型番

ヤマハの型番(Cの意味)

ヤマハの型番について、時折触れている。
スピーカーシステムのNSはNatural Soundのはずだし、
コントロールアンプのCI、C2などのCはControlだし、
パワーアンプのBI、BSはBasicのはずである。

アナログプレーヤーはYPで始まる。
これはYamaha Playerであろう。

これまで考えてきてわからないのがある。
スピーカーユニットのJAである。

トゥイーターであれ、フルレンジであろうと、
ウーファー、スコーカー、コンプレッションドライバーまでJAで始まる。
このJAは、どういう意味をもっているのか。

そしてもうひとつわからないのが、
プリメインアンプのCA2000、CA1000IIIのなどのCA。
同じ意味でチューナーのCT、レシーバーのCRもそうだ。

CAのAはAmplifierであろう。
CTのTはTuner、CRのRはReceiverで間違いないだろう。

プリメインアンプ、チューナー、レシーバーに共通してつけられている、このCは何なのか。
ヤマハはA1以降、プリメインアンプの型番はAで始まるように変更している。
チューナーもTで始まるようになった。
レシーバーは、そのころはカタログから消えていた。

コンテンポラリー(contemporary)なのだろうか。
それともまったく違う意味なのだろうか。
何の意味ももたないということは、ないと思う。

解く鍵は、フロントパネルの色かもしれない。
C2やB2といったセパレートアンプは、当時黒だった。

プリメインアンプはCA-V1は黒だったが、それまではシルバーパネルだった。
チューナーもレシーバーもシルバーだった。

Date: 10月 4th, 2016
Cate: 型番

パイオニアの型番(ユニット)

パイオニアのスピーカーユニットで、最も知られているのはPT-R7だろう。
PT-R7の型番は、Pioneer Tweeter-Ribbonの頭文字であることは、すぐにわかる。
末尾の7は、リボンの長さ(7cm)を示している。
なのでPT-R5のリボンの長さは5cm。

パイオニアのトゥイーターはすべてPTで始まる。
ウーファーはPioneer Wooferの頭文字PWで始まる。
スコーカーはPioneer Midrangeの頭文字PM、
コンプレッションドライバーはPioneer DriverでPD、ホーンはPioneer HornでPH。

ここまではわかるのだが、フルレンジユニットとなると、さっぱりだった。
パイオニアのフルレンジにはPEシリーズ、PIMシリーズ、PAXシリーズがあった。

最初のPはPioneerだということはすぐにわかる。
けれど次に続く文字の意味がわからない。

PEの「E」はおそらく拡張の”expand”ではないかと思う。
周波数特性をみてもPIMシリーズよりもレンジは広い。
では残りはどういう意味なのか。

PAXは同軸2ウェイにつけられている型番。
同軸の”coaxial”からaxをとったのだろうか。
少し強引すぎる気もする。
もしかするとPioneer Axiom(公理)で、PAXなのかもしれない。

最後までわからなかったのがPIMである。
Pioneer Mechanical 2wayの略ということ。
PioneerからPIとMechanicalのMで、PIMである。
電波科学1974年4月号に載っていると、PIM16KTを譲ってくださった方からの情報である。

Date: 8月 28th, 2016
Cate: 型番

型番について(続々・三つの数字の法則)

SAECのトーンアームの三桁の数字の合計が11となることを、前回書いた。
なぜ11なのかは、11(いい)の当て字ということだが、それだけではないようにも思っている。

SAECの前身は(たしか)ジムテックである。
ジムテックがどういうメーカーだったのかは以前書いていることなので、くり返さない。
このジムテックであったことが、11という数字と関係しているように思う。

アルテックのウーファーといえば、515と416が有名である。
5+1+5=11
4+1+6=11
ここにも合計11がある。

ジムテック時代のスピーカーがどんなものであったのかを知っているならば、
アルテックのことを持ち出したのが、唐突でないことがわかってもらえるはずだ。

SAECが型番を三桁の数字にして、その合計が11になるようにしたのは、
アルテックの515と416と無関係とは思えない。

Date: 8月 25th, 2016
Cate: 型番

JBLの型番(D130)

JBLの最初の製品は、15インチ口径のD101である。
101は、最初の製品だから、ということなのだろう。納得がいく。

次に登場したのはD175である。
型番の数字が意味するのは、ダイアフラムの口径(1.75インチ)である。
納得できる。

なんとも不思議というか、なっとく出来ないのがD130である。
D101がアルテックの515に似ていた。
このこと以外にもアルテックの機嫌を損ねるようなことがあった。

D130は、そういう背景のもとに誕生したユニットであり、
このユニットこそがJBLの名声を一挙に高めていく。
けれど、なぜD130なのだろうか。
D102ではないのだろうか。

番号が飛びすぎている感がある。
なぜ130なのか、と以前から思っていた。

今日ふと気がついたのだが、JBLのB。
これを分解すると1と3になる。
もしかすると、そんなところから130という数字が生れたのかもしれない。

まぁ、こじつけである。
でも1946年、創立時の名称はJBLではなく、
Lansing Sound Incorporatedである。

アルテックからのクレームにより、
James B. Lansing Sound Inc.となる。

ここで加わったBが、13へと変化していった……。
それにしても、なぜ130なのだろうか。

Date: 8月 14th, 2016
Cate: 型番

JBLの型番(4343・続なかばこじつけ)

さきほどの「JBLの型番(4343・なかばこじつけ)」に、facebookでコメントがあった。

「示唆(43)に富む話」とあった。
この発想はなかった。

いままで43を予算と読めるな、とは思っていた。
4300シリーズは、つまり予算シリーズであり、末尾二桁の数字が大きくなるほどに予算も必要となる。
4343は予算予算となるわけだ。

でも43を示唆ととらえることで、スタジオモニターにふさわしい数字とも思えてくる。
さらに43(しさ)には、視差もある。

視差とは辞書には、カメラのファインダーの像とフィルム上に得られる像との差異、とある。
スタジオモニターとは何かを考えるうえで、
視差(オーディオでは聴差というべきか)の存在を示唆してくれる。

Date: 8月 14th, 2016
Cate: 型番

JBLの型番(4343・なかばこじつけ)

JBLのスタジオモニターで、中高域にホーン型ユニットを搭載したモデル(4300シリーズ)は、
型番に法則があった(いまは完全に崩れてしまっている)と思っている。

4320の2はユニットの数だと思う。
4320は2ウェイで、ユニットの数は2つ。

4350は4ウェイで、ダブルウーファーだからユニットの数は5つだから、下二桁目が5になる。
4340、4341、4343なども4ウェイだが、シングルウーファーでユニット数は4だから、
40、41、43となっている。

4331、4333は2ウェイと3ウェイだが、
同時期に発売され2405を後付けすることで43331は4333にすることができるため、
下二桁目は3となっている。

型番的に捉えれば、4331にトゥイーターをつけ加えたのが4333ではなく、
4333からトゥイーターを取り除いたのが4331ということになる。

4320にも2405を後付けできるようにバッフルに加工がなされている。
けれど4320はもともと2ウェイのスピーカーシステムであり、
同じ2ウェイであっても4331と、この点がはっきりと違う。

井上先生がステレオサウンド 62号に書かれているが、
4320に2405を追加してうまくいったのは、
例外なく小容量のコンデンサーを直列に挿入した場合だった、と。

こういう法則があったから、4365が登場したときは少々ビックリした。
どういう構成のスピーカーシステムなのか、と想像した。
型番からいえば6ユニットということになる。

ダブルウーファーなのだろう。
4ウェイだとしても、あとのどの帯域をダブルにしたのか。
そんなことを想像しながら、詳細を見たら3ウェイでがっかりしたことを思いだす。

ところで今年は2016年。
4343は1976年に登場している。
今年は4343登場40年目にあたる。

ということは下二桁目の「4」は、ユニット数だけでなく40周年の「4」という意味も、
今年にかぎり持つことになる。

そして4+3=7である。
今年はJBL創立70周年にあたる。

このへんからは、なかばこじつけである。

さらに4+3+4+3=14で、14を1と4に分けて1+4=5となる。
4343が登場した1976も、1+9+7+6=23となり、23は2+3=5。
どちらも5になる。

Date: 8月 14th, 2016
Cate: 型番

型番について(続・三つの数字の法則)

一週間ほど前に、JBLのD130、ガラードの301、デンオンのDL103など、
型番に1と3と0がつくモデルについて書いた。

facebookにコメントがあった。
SAECのトーンアームの型番についてのものだった。
SAECのトーンアームの大半は三桁の数字がついている。
WE308、WE407、WE506のようにだ。

この三桁の数字に意味があるとはいままで思っていなかった。

WE308 3+8=11
WE506 5+6=11
WE407 4+7=11
WE317 3+1+7=11

三桁の数字の合計はすべて11になる。
別の方のコメントによれば、11は「いい」の当て字とのこと。
つまり「いいトーンアーム」ということで、数字の合計が11になるように型番がつけられている。

WEは、おそらくSAEC独自の構造のダブルナイフエッジを表しているのだろう。
double knife edgeそのままだとDKEとなってしまうが、doubleをWにして、
ダブルエッジにしてしまえばWEとなる。

WEは、Western Electric(ウェスターンエレクトリック)にしか見えない人もいるだろうけど。
私もそのひとり。

Date: 8月 14th, 2016
Cate: 型番

JBLの型番(4343)

4343の前身は、4341(4340)である。
4341の改良モデルといえるわけなのだが、なぜ4343なのか。

4320がその前にあった。2ウェイのスタジオモニターである。
4320の改良型は4325である。
これに倣えば、4341(4340)の改良モデルは4345となろう。

けれど4343である。
4342でもない。

末尾の「3」は、JBL創立30周年をあらわしているのだろう。

Date: 8月 6th, 2016
Cate: 型番

型番について(三つの数字の法則)

JBLのD130、ガラードの301、デンオンのDL103、
これらには型番の数字に共通点がある。
1と3と0から成る。

他にもまだある。
KEFのModel 103、フォステクスのFE103、エラックのCL310、ボザークのB310、BOSEの301MM。
三桁ではなく四桁になってしまうが、SMEの3012にも、1と3と0が使われている。

だから何なのか、と問われれば、
ただ共通点のある型番のオーディオ機器を並べただけ、というしかない。

でも傑作、佳作といわれるオーディオ機器のいくつかにには、1と3と0が使われる。

Date: 7月 10th, 2016
Cate: 型番

JBLの型番(075)

ステレオサウンド別冊HI-FI-STEREO GUIDE(年二回発行)を最初に買ったのは、
中学三年のときだから、Vol.6がそうである。

HI-FI-STEREO GUIDEは、カタログ誌である。
だからといってHI-FI-STEREO GUIDEを否定するようなことは書かない。
カタログ誌は必要なものだという認識だからだ。

むしろ2000年末の発行で最後になってしまったことを残念に思っているくらいである。

HI-FI-STEREO GUIDEを見ていて感じたのは、
ステレオサウンドの編集方針として、総があるということだった。
ステレオサウンド本誌の特集記事もそうだが、総テストと呼ばれる。
とにかく集められるだけのモノを集めてテストする。

HI-FI-STEREO GUIDEも市場で売られている全製品を網羅することを基本とする。
スピーカーやアンプといったオーディオ機器だけでなく、
アクセサリーも、マイクロフォンスタンドやラックまでも含めて掲載されていた。

総テストもそうなのだが、できるだけ集めることで見えてくるものがあるからこその「総」であり、
HI-FI-STEREO GUIDEもジャンルごと、ブランドごとに相当な数がまとめられいてることで、
気がつくことがいくつもあった。

そのひとつがJBLのトゥイーター075の型番のことだった。
当時はJBLのユニットはかなりの数揃っていた。
その中にあって、075と077だけが、型番が0(ゼロ)から始まっているのに気づいた。

コンシューマー用、プロ用すべてのJBLのユニットの型番を確認しても、
0から始まっている型番のユニットはなかった。
最初はトゥイーターだから、と思ったけれど、コーン型トゥイーターのLE20は当てはまらない。

その理由に気づくのは、HIGH-TECHNIC SERIESの四冊目、トゥイーターの号が出たからだった。
巻頭のカラーグラビアにダイアフラムの写真が写っている。
075、077のダイアフラムはドーム状ではなく、リング状であり、
その形はO(オー)であり、0(ゼロ)ということなのだ、と。

Date: 6月 16th, 2016
Cate: 型番

型番の読み方

オーディオ機器の型番が単語であれば、読み方に迷うことはないが、実際にはそうでもない。
オーディオ機器の型番はたいていはアルファベットと数字の組合せであるから、
アルファベットの部分はいいが、数字の部分をどう読むのか。人によって違ってくる。

マランツのModel 7をモデル・ナナと読む人はあまりいない。
ほとんどの人がモデル・セブンという。
このへんはまだいい。

JBLの4343となると、どうだろうか。
私はヨン・サン・ヨン・サンと読んでいる。
でも中にはヨンセンサンビャクヨンジュウサンと読む人もいる。
どちらが正しいか、ということはいえない。

4343はアメリカの製品だから、アメリカでの発音が正しい、ということになる。
4343をJBLの人たちはどう発音していたのか。
いまになって、きちんと確認しておけばよかった、と後悔している。

おそらくだが、43・43、つまりforty-three forty-threeではないかと思う。
4350はforty-three fiftyになるはずだ。

その4350を日本語だとヨン・サン・ゴ・マルと私は読む。
ヨン・サン・ゴ・ゼロでもいいわけだが、ヨン・サン・ゴ・マルである。
私のまわりでも、ヨン・サン・ゴ・マルの人が多い。

けれどこれが同じJBLの075になると、ゼロ・ナナ・ゴであって、マル・ナナ・ゴの人は、
少なくとも私のまわりにはいない。

2405は、ニィ・ヨン・ゼロ・ゴだが、ニィ・ヨン・マル・ゴの人もいる。
D130はどうか。
ディ・イチ・サン・ゼロかディ・イチ・サン・マルかというと、
私はディ・ヒャクサンジュウである。

175、375はイチ・ナナ・ゴ、サン・ナナ・ゴなのに、D130に関してはヒャクサンジュウなのだ。

私が大好きなスピーカーであるロジャースのPM510。
これはピー・エム・ファイブ・テンが正しい。
ステレオサウンド 56号、瀬川先生がそう書かれている。

Date: 1月 4th, 2016
Cate: 型番

JBLの型番(L250)

1976年の時点で、JBL・4343のコンシューマー用モデルL400が登場する、といわれていた。
実際にL400はプロトタイプがつくられていたことは確認できている。

だが1982年、JBLから登場した4ウェイのコンシューマー用モデルは、L250だった。
なぜ、L250という型番だったのか。

L400は4343のコンシューマー用ということだから、上二つの帯域を受け持つのはホーン型、
けれどL250はコーン型とドーム型のために、あえてL400の型番を避けたのだろう、と思っていた。

L250の前にL212というシステムが1977年に登場している。
記憶されている方は少ないかもしれない。

L212は、いわゆる3D方式のスピーカーシステムだった。
3D方式のスピーカーといっても、いまではどのくらいの人がすぐに理解されるだろうか。
私くらいまでの世代がぎりぎりなのか。

10年ほど前だったか、若いオーディオマニアとの会話で、3Dって何ですか、ときかれたことがある。
そのころでさえそうだったのだから、いまはどうなのか。
3D方式とは、いわゆるセンターウーファーであり、今風にいえば2.1chシステムとなる。

L212は、サイドモジュールとウルトラバスモジュールから構成される。
サイドモジュールが、いわゆる一般的な意味のスピーカーシステムで、
20cm口径ウーファー、13cm口径スコーカー、2.5cm口径ドーム型トゥイーターの3ウェイ構成。
ウルトラバスモジュールは30cm口径ウーファーを搭載。
サイドモジュールが二基、ウルトラバスモジュールが一基のシステムである。

サイドモジュールのクロスオーバー周波数は800Hzと3kHzで、-6dB/oct.のネットワークを使用。
70Hz以下をウルトラバスモジュールが受け持つ。

別項「続・再生音とは……」でピアノロールのレコードについて書くために、
ステレオサウンド 45号を読んでいて、L212のネットワークの仕様に気がついた。

L212も-6dB/oct.だったのである。
L250も-6dB/oct.であり、さらに同時にサブウーファーのB460も登場している。

つまりL250+B460のシステムは、L212のスケールアップモデルといえる。
L250はL212をベースにしているところもある、といえよう。
そうであれば、L250という型番に納得がいく。

Date: 11月 4th, 2015
Cate: JBL, 型番

JBL PROFESSIONALの現在(4367の型番)

JBLの4367は型番末尾にWXがついている。
このWXはウォールナット仕上げを意味している。

以前の4300シリーズは、型番末尾に何もつかないモデルとWXがつくモデルがあった。
4343と4343WXというように。

WXのつかないモデルは、サテングレー仕上げで、バッフルは黒。
ハーマンインターナショナルのサイトをみると、4300シリーズでWXがつくのは4305Hと4312MII。
この二機種には、それぞれ違う仕上げがあった。
だから型番末尾にWXがついているのは納得がいく。
4365、4338などのモデルにはWXはつかない。ウォールナット仕上げのみだったからだ。

となると4367WXという型番で登場したということは、違う仕上げの4367が控えている、ということだと、
昔からのオーディオマニアでJBLのスピーカーに高い関心を持っていた人ならば、そう期待する。
私は期待している。
サテングレー仕上げの4367を。

Date: 3月 25th, 2015
Cate: TANNOY, 型番

タンノイの型番(その1)

別項「程々の音」でふれたタンノイのイートン。
この時代のタンノイはハーマンインターナショナルの傘下にあったころで、
オートグラフ、GRFは輸入元ティアックによる国産エンクロージュアという形で残っていたものの、
主力製品は、いわゆるABCシリーズと呼ばれる、
Arden(アーデン)、Berkley(バークレー)、Cheviot(チェビオット)、
Devon(デボン)、Eaton(イートン)で、
アーデンとバークレーが38cm口径のHPD385A、チェビオットとデボンが30cm口径のHPD315A、
イートンが25cm口径のHPD295Aを搭載していて、デボンとイートンがブックシェルフ型だった。

ちなみにこれらはすべてイギリスの地名である。

これらのタンノイの型番について瀬川先生がおもしろい話をされたことがあった。
五機種の中で、型番(名称)がいちばん落ち着いた感じがするのはアーデンであり、
アーデンの音も、アーデンという型番がイメージするような音で、
バークレーはアーデンよりもちょっと辛口のところがあり、
デボンは、そんな感じの低音がするし、イートンはかわいらしい印象があって、
型番と音の印象が割とよく合っている、ということだった(チェビオットに関しては、はっきりと憶えていない)。

なるほどなぁ、と感心しながら聞いていたことを思い出した。

バークレーの音は聴いたことはないが、
アーデンと同じユニットであってもエンクロージュアのサイズがひとまわり小さくなっている。
ということは同じ板厚であれば、エンクロージュアの剛性は高くなっている。
ともすればふくらみすぎといわれるアーデンの低音に対して、
バークレーの低音はそういうことはあまりなかったのではないか、と推測できる。

少し締った低音という意味での、アーデンよりも辛口の音ということなのかもしれない。