メリディアン ULTRA DACを聴いた(その26)
ステレオサウンド 86号に、ボブ・スチュアートのインタヴュー記事が載っている。
当時連載されていた「プロフェッサー中矢のAudio Who’s Who」である。
そこに、こうある。
《ブースロイド氏に音楽の好みをたずねたら、案の定、楽しみで聴く音楽は九九パーセントがクラシックとの答えが返ってきた》
そうだろう、と改めて感じていた。
当時、メリディアンはブランド名で、社名はブースロイド・スチュアートであり、
工業デザイナーのアレン・ブースロイドとエンジニアのボブ・スチュアートの二人が設立。
余談になるが、二人の出逢いは、イギリスのオーディオメーカー、レクソンであり、
ブースロイド、スチュアート、この二人による最初のモデルは、
コントロールアンプのAC1、パワーアンプのAP1である。
AC1のデザインには、驚いた。
こういうデザイン、いいなぁ、と思っていた。
音はどうだったのだろうか。
聴く機会はなかった。
オーディオ雑誌でも、音のことはほとんど話題にならなかった。
それでもレクソンのデザインのことは、いまでもはっきりと思い出せるほどに強烈だった。
そのレクソンのアンプを、ブースロイドとスチュアートの二人の最初の作であることを知るのは、
M20+207の音を聴いたころだった。
そうなるとレクソンのアンプもデザインだけでなく、音のことも気になってくる。
どんな音がしていたのだろうか。
それに当時は中学生だった。
なんとなくデザイン優先のアンプのようにも受けとっていた。
デザインというものを、ほとんど理解していなかったから、そう感じたのであって、
いま改めてレクソンのアンプを見つめ直すと、パワーアンプは非常に理に適っているかたちであるし、
コントロールアンプも、また違う見方ができる(このことはいずれ書きたい)。
86号の記事はボブ・スチュアートのインタヴューだから、
スチュアートの音楽の好みについても書かれてある。