Date: 9月 16th, 2018
Cate: MERIDIAN, ULTRA DAC
Tags:

メリディアン ULTRA DACを聴いた(その18)

瀬川先生が、SMEの3012-R Specialの音について書かれていることは、
そっくりULTRA DACの音のことでもある。

ここのとこは、もう一度引用しておこう。
     *
 えもいわれぬ良い雰囲気が漂いはじめる。テストしている、という気分は、あっという間に忘れ去ってゆく。音のひと粒ひと粒が、生きて、聴き手をグンととらえる。といっても、よくある鮮度鮮度したような、いかにも音の粒立ちがいいぞ、とこけおどかすような、あるいは、いかにも音がたくさん、そして前に出てくるぞ、式のきょうび流行りのおしつけがましい下品な音は正反対。キャラキャラと安っぽい音ではなく、しっとり落ちついて、音の支えがしっかりしていて、十分に腰の坐った、案外太い感じの、といって決して図太いのではなく音の実在感の豊かな、混然と溶け合いながら音のひとつひとつの姿が確かに、悠然と姿を現わしてくる、という印象の音がする。
     *
ほんとうに、こういう印象の音がする。
疑う人もいるとは思う。
それでもいい。
わからぬ人は、いつも時代にもいるし、
そういう人にどれだけ言葉を尽くしても、徒労に終ることはわかっている。

それでも、なんとか伝えたい、とも思う。
疑う耳(いや頭か)には、ULTRA DACの音は届かないかもしれない。
それは過剰な音では決してないからだ。

メリディアンはSMEと同じくイギリスのオーディオメーカーだということを感じていた。
ULTRA DACも、イギリスのD/Aコンバーターだとういことを強く感じていた。

ULTRA DACの音は、静かである。
ULTRA DACの静けさは、月並な表現ではあるが、
心が洗われるようでもある。

洗われるは、(あらわれる)であり、顕れるでもある、と感じる。
洗われることで、心が裸になるというか、素直になるとでもいおうか、
そうなることで、己の音楽に対する心がはっきりと顕れる。

ULTRA DACの静けさは、単なるS/N比の優秀性だけではないと思う。
そして、ここてもおもい出すのが、五味先生が書かれていたことだ。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]