メリディアン ULTRA DACを聴いた(その15)
9月5日のaudio wednesdayでは、
メリディアンのCDプレーヤー、206と508も聴いている。
時代が違っていても、メリディアンの音といえるものがどちらにも感じられた。
私だけが、そう感じていたのではなく、聴いていた人みなそうだった(ようだ)。
ULTRA DACの音も、そうだった。
けれど、私の耳にはULTRA DACといっしょに聴いた206、508の音よりも、
記憶のなかにあるM20の音が、ULTRA DACの音へと結びついていく。
M20はパワーアンプ内蔵とはいえ、スピーカー(変換器)である。
ULTRA DACはD/Aコンバーター。
デジタル信号をアナログへと変換するわけだから、
どちらも変換器といえば、そうなのだが、
電気信号を機械的振動へと変換するトランスデューサーとコンバーターは、
決して同一視できないのはわかっている。
それでもULTRA DACの音はM20の音をしっかり受け継いでいた。
少なくとも、私の耳にそう聴こえた。
しかもM20に、こうあってほしい、と思いつづけていたところがすべて満たされている。
M20はスピーカーシステムとして大型だったわけではない。むしろ小型に属する。
ULTRA DACは、D/Aコンバーターとして、かなり大型である。
800シリーズから大型になったメリディアンを知っていても、
ULTRA DACを目の前にして、「やっぱり大きいですね」といってしまった。
audio wednesdayに来た人も、「うっ、大きい……」と言っていた。
無駄に大きいわけではない。
内部をみることはできなかったが、電源部がかなりのスペースを占めている、とのこと。
試作機の段階ではスイッチング電源も試してみたけれど、
音の点で、従来通りの電源になった、という話だった。
M20とULTRA DACの、このサイズの違いは、そのまま、というより、
それ以上に音にあらわれている。