映画、ドラマでのオーディオの扱われ方(その1)
2002年の香港映画「インファナル・アフェア」の冒頭には、
香港のオーディオ店でのシーンがある。
「いいケーブルを使えば、いい音が得られる」とか、
「レトロな曲には、こっちのケーブルの方があう」とか、
そんな会話がなされているシーンだ。
オーディオ機器が、ワンシーンだけとか小物として登場する映画やドラマは、けっこうある。
マッキントッシュのアンプは割とよく登場する。
比較的最近ではアメリカのテレビドラマ「CSI」にも、マッキントッシュが登場していた。
テレビドラマ版の「マイノリティ・リポート」には2065年のアナログプレーヤーが出てくるし、
映画「ダークナイト」にはB&OのBeoLab 5が使われている。
「ダークナイト」での、主人公ブルース・ウェインの屋敷が焼失した後の住い、
マンションでのBeoLab 5は、いかにも、という感じでぴったりくるけれど、
「CSI」でのシーズン9までの主任だったギル・グリッソムの自宅のマッキントッシュは、
少し合わないような感じがした。
映画、ドラマでのオーディオ機器の選択は、どれだけ考えられて行われているのだろうか。
今回改めてそう思ったのは、アメリカのテレビドラマ「グリッチ」に登場するオーディオ機器が、
2015年制作の、時代設定も新しいにも関わらず、
主人公の自宅にあるのは、古いオーディオ機器であったからだ。
そこにはCDプレーヤーは映っていなかった。
アナログプレーヤー(型番はわからず)とアンプとチューナーとスピーカーである。
しかもアンプはラックスのSQ38Fである。
SQ38FDでもなければFD/IIでもなく、SQ38Fである。
1968年ごろのアンプが、どうしてだか登場している。
チューナーもラックスのT300。
この選択は、なかなか異色である。