Date: 9月 21st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio session

10月2日のaudio wednesdayは、
現代音楽をBOSEの901 Series Vで聴く予定だったが、
クーラーの故障のため、部屋をいつも使っているところではなく、
隣の和室に変更になった。

来られたことのある方ならば、休憩の時に使っている部屋だ。
三方の壁が襖のこの部屋で、901がうまく鳴ってくれるとは思えない。
第九夜は中止ではなく、クーラーを必要としなくなったころ、
10月中旬以降に延期になる。

10月2日は、だから隣室の天井に取り付けられているタンノイを鳴らす。
天井から床に向けてあるが、単にそのままなわけではなく、
間接的な放射になるよう工夫されている。

タンノイは、15インチのMonitor Red(のはず)で、モノーラル。
この他にジョーダン・ワッツのJumbo(こちらも一本だけ)も用意できる。

動作確認はまだだが、問題なければアンペックスの可搬型モニターもある。これも一本のみ。

これらのスピーカーを鳴らすわけだが、テーマとしては、
真空管時代のラジオを聴く感覚で、
現代のラジオといえるストリーミングで音楽を聴く、だ。

TIDALとApple Musicを音源として使い、
システムとしてもできれば小さくまとめたいので、
iPhoneを使うつもりでいる。

歌を中心とした選曲で、雑談を交えながらの感じの夜としたい。

今回はそういうことなので、参加費は1,000円となる。

Date: 9月 20th, 2024
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その2)

ラジオ技術が出ない。
月刊誌から隔月刊誌になったものの、まともに出版されなくなった。
いまの感じだと年刊誌である。

ラジオ技術は、個人的に楽しい雑誌だけれど、
そろそろ終りが近づいているのか。

ラジオ技術のライバル誌は、無線と実験なのだが、
こちらは月刊誌から季刊誌になっている。
年12冊から4冊になったのだから、
一冊の読み応えは増すものだ、と期待していたけれど、
残念なことにそうではない。

月刊誌の内容のまま、季刊誌にになってしまったとしか思えなくて、
このまま続けていくのか──、それとも──、
そんなことを思わなくもない。

こんなことを書いているけれど、
ラジオ技術も無線と実験も休刊(廃刊)になってしまったら──、
その時のことを想像してみてほしい。

そうなった時、残ったオーディオ雑誌が、
ラジオ技術、無線と実験が担ってきた役割を引き継ぐのか。

Date: 9月 19th, 2024
Cate: High Resolution

MQAのこれから(とTIDAL・その16)

TIDALがMQAの配信をやめて、ほぼ二ヵ月。
TIDALでMQAで聴くことはできなくなったのかといえば、
実はそうではない。

新譜がMQAで配信されることは、確かになくなった。
けれどこれまでMQAで配信されていたアルバムは、
いまもけっこうな枚数がMQAで聴ける。

少なくともroonでTIDALを検索すると、そのことがわかる。
これまでは、一目でMQAということがわかるマークがついていたが、
これはなくなっている。

いまもMQAで聴けるアルバムの大半にはついていない。
まだついているアルバムは、少なくなってきているがある。

だからMQAがなくなったような印象を受けるが、
いまのところ、そうではない。

ただし、この状況がいつまでなのかは、まったくわからない。

Date: 9月 18th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜(BOSE 901 Series Vと現代音楽)

七年前、別項でステレオサウンド 48号掲載の901の広告について書いた。
この頃(1970年代後半)のBOSEの広告には、901を導入した演奏家が登場していた。
48号の広告には、山田一雄氏が登場されている。

キャッチコピーは、こうだ。
     *
背中で聴いたBOSE
この小さな箱がホールの広さを表現するとは…《山田一雄》
     *
山田一雄氏のリビングルーム(と思われる)に置かれた901と、
ロッキングチェアに坐っている山田一雄氏の写真が、カラー見開きで大きく扱われている。

この写真の下に、こうあった。
     *
元来、私はあまりレコードを聴かない。つまり「鑑賞する立場の人」とは反対の立場に立っているからかも知れない。音楽を創る立場の身にとっては、雑念なしに他人の音楽に没頭して聴くことは難事であるからだ。
家族が新しいオーディオ装置を欲しがっていることもあって、友人のレコーディング・ディレクターのすすめで《BOSE-901》を手に入れる。そんな私だから、正直なところオーディオとやらのシカケには恥かしいほど無頓着で、無理解だとよく叱られている。
ともあれ、女房子供のおつき合いのつもりで聴いたところが、鳴り出した瞬間から大袈裟にいって「新しい発見」と「開眼」をする。
さて、指揮者というものは客席に背を向けているくせに、常に背中で音を聴いているものだ。つまり、その広さと音のまわり具合いを身体で感じながら演奏している。演奏が巧くいっているときには、音が張り出すというのだろうか、ステージ上の音よりもむしろ客席の方で暖く鳴っているのを私は感じる。
《BOSE-901》での私の「新しい発見」とは、私の家のサロンで、音が背中にまわり込む外国のコンサート・ホールでの、アノえもいえぬ味を味わえたことである。この設計者はよほどの感性をもって音楽を聴き込んでいるのであろう。音楽が生まれる場所の状況を極めて正確にわきまえている。
それにこのスピーカーは、「音出し機械」然としていないところが良い。小型にもかかわらず、生演奏なみのヴォリュームを上げても、ガナリ立てる感じにならない点も大変気に入っている。
これからは、もう少しレコードを聴くとしようか……。
     *
《音楽の生まれる場所》とある。
《音楽が生まれる場所の状況」とある。

そんな901だから、現代音楽を聴いてみたいわけだ。

Date: 9月 17th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜(BOSE 901 Series V+1)

BOSEは、今年で創立60年。
だから今回901を鳴らすわけではなく、たまたまでしかない。
しかもBOSEの創立が1964年ということを知ったのは昨晩だった。

60年なのか──、と思い出すのは、井上先生と901のことである。

ステレオサウンド別冊「コンポーネントの世界」での発展的組合せで、
井上先生はベースとなるスピーカーに901を選ばれている。
最終的には、901を四段スタックして、サブウーファーとスーパートゥイーターを追加するという、
かなりすごいし、井上先生以外でこんな組合せをつくる人はいない──、
そう言いきれるほど、この組合せのインパクトは強かった。

聴いてみたかった組合せだし、井上先生に、
その音について訊ねてもいる。

このこともあるから、901は私にとって忘れられない存在となっている。

10月のaudio wednesdayでは、1ペアしか901は用意できないから、スタックは無理。
けれどトゥイーターは用意できる、というか、すでに用意している。

井上先生はピラミッドのリボン型のT1を使われた。
私が今回使うのは、エラックのリボン型。
うまくいくと思っている。

901はいうまでもなく、ユニット配置が独自のものだから、
水平方向が無指向性のエラックの方が向いていよう。

Date: 9月 16th, 2024
Cate: チューナー・デザイン

チューナー・デザイン孝(オーレックス ST720・その1)

チューナーは一台持っている。
パイオニア Exclusive F3だ。
岩崎先生が使われていたモノを譲っていただいた。

FM放送を聴くことはほとんどない。
それにいま住んでいるところは受信状態がいいわけでもない。
専用アンテナもたてられない。
なのでExclusive F3の性能を活かしきっているとは到底言えない。

そんな状況で、二台目のチューナーが要るのか。
誰でも必要ないと答えるはず。
私もそうだ。

なのに先ほどヤフオク!で、オーレックスのST720を落札した。
この価格で? と思うほどあっけない落札だった。

さほど広くない部屋にチューナーが二台。
しかもほとんど使う機会はない。

それでもST720は、実機を手元に置きたい──、
中学生の頃からのおもいだった。

Date: 9月 16th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第九夜(BOSE 901 Series V)

10月2日のaudio wednesdayのテーマは、現代音楽。
すでに書いているように選曲は、会の常連のHさんに任せきっている。

私は現代音楽をテーマに決めたときから、
BOSEの901を鳴らしてみたい、
901で聴いてみたいし、901でどんな感じになってくれるのか、
そして会に来られる方は、901をどんなふうに受けとめられるのか、
そんなことを考えていた。

901のアテはあった。
今日、その方のところに行って、スピーカーユニットのエッジの状態を確認してきた。

今回鳴らす901は、Series V。
製造されてから二十年は経っていよう。
ウレタンエッジだから、ボロボロになっていてもおかしくない年月だが、
901が置かれている部屋は、スタインウェイのピアノ、クレデンザがあり、
湿度が管理されていることが、エッジのコンディションを保っていたようだ。

オーディオマニアの中には、901なんて……と腐す人もいる。
そういう人は、きちんと鳴らされた901の音を聴いていないのだろう。

私は、ステレオサウンドにいた頃、井上先生が鳴らす901の音を何度か聴いている。
記事にはならなかったけど、マッキントッシュのMC275でも鳴らしている。

あの時の音をもう一度聴きたい。
そうおもってきたから、今回は901である。
もちろんMC275でも鳴らす。

Date: 9月 15th, 2024
Cate: 表現する

自己表現と仏像(その12)

オーディオは自己表現だ、と、
恥ずかしげもなく堂々と言う人を何人も知っている。

勝手に思っていればいい──、
私はそう思いながらも、
「オーディオは自己表現だ」、
さらには「自己表現だから──」と主張する人は、
手塚治虫の「火の鳥」、「鳳凰」編を読んでいないのだろうな、
と思うようになってきた。

Date: 9月 14th, 2024
Cate: オーディオ観念論

抽象×抽象=(その4)

抽象×抽象が、オーディオの解、
もしくはオーディオの本質(それに近い)とするならば、
言葉で語ることがそもそも無理なことでもあるし、
難しいわけだが、だからこそおもしろい。

Date: 9月 13th, 2024
Cate: ディスク/ブック

The CONCERTGEBOUW Legacy

10月に、コリン・デイヴィスとコンセルトヘボウ管弦楽団のCDボックスが発売になる。
十八枚組で、もちろんストラヴィンスキーのバレエ音楽も含まれる。
「春の祭典」、「火の鳥」が新規マスタリングで聴けるようになる。
TIDALでも、新たに配信されるであろう。

11月のaudio wednesdayに間に合うはずだ。

Date: 9月 12th, 2024
Cate: audio wednesday, 音楽の理解

audio wednesday (next decade) –第九夜(現代音楽とは)

曲が作られる場所と音楽が生まれる場所は、違う。
このあたりまえのことが、現代音楽とは? について考える際に大事なのではないか。

10月2日のaudio wednesdayで現代音楽をテーマに決めてから考えていることだ。

Date: 9月 11th, 2024
Cate: audio wednesday, 名器

名器、その解釈(幻の名器・その後)

昨夏、同じタイトルで、ある幻の幻の名器について少しだけ書いた。

この名器があるのなら、もう一つの名器があってもおかしくない。
詳細はまだ明かさないが、やはりあった。

それを見つけた時、やっぱりあった、と思った。
古いオーディオ機器だから、仰々しく飾ってあれば、何か凄そうなモノかも──、と思うだろうが、
あまりにも無雑作に、しかも別の場所に置かれていると、
何の知識もない人ならば、そのままだったはず。

今回もある、と思ってさがしていたわけではない。
そのオーディオ機器の、ほんの一部が目に入った。
薄暗いところだったから、前にまわって確かめたら、
確かに、あの名器である。

あるところにはある、
けれどそれだけでは終らないわけで、来年を楽しみにしてほしい。

Date: 9月 11th, 2024
Cate: ロングラン(ロングライフ)

定番(その10)

日本時間だと火曜日の未明に新しいiPhoneが発表になって、
ソーシャルメディアでは、前のモデルとたいして変わらない、とか、
ジョブスのいないAppleなんて──、
そんな、この時期になると毎年見かける投稿が、やっぱりあった。

思うに、iPhoneは定番モデルである。
時々iPhoneの売り行き低迷というニュースも流れるが、
しばらくすると順調というニュースもあったりする。

一年トータルで見ると順調に、予定通りの売れ行きなのだろう。

iPhoneの見た目も、そう大きく変っているわけではない。
確かに定番モデルといえる。

だからといって変化がないわけではない、
進歩していないわけでもない。
完成度は増している。

iPhoneという定番モデルがあるからこそ、
Appleはやれることがあるのだろう。
(その9)で書いているように、冒険だって可能になる。

Date: 9月 10th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜

来月ではなく再来月(11月)のaudio wednesdayでは、
JBLの4343を鳴らす予定でいる。

11月の第一水曜日は6日。
翌7日は瀬川先生の命日。

四谷三丁目でやっていた時から、
一度は4343を鳴らしたい──、ずっと思い続けてきた。

今回、なんとか実現できそうである。

Date: 9月 9th, 2024
Cate: 広告

広告の変遷(ポスターをめざしているのか・その2)

その1)で、オーディオの広告から文字が消えていく傾向が強いことに触れた。
(その1)は十年前。
変わらずだ。

1970年代後半からオーディオ雑誌を読み始めた私は、
広告もまた記事のようなものだった。
記事に書かれていないことも広告にはあったりしたからだ。

そんなことはカタログに書いてある、と言われそうだが、東京のようにいくつものオーディオ店があった環境ならば、
カタログをもらってこれるが、私が住んでいた地方の片田舎は、そうはいかない。

だからこそ広告も、あの頃はじっくり読んでいた。

いまはインターネットがあるから、広告には、そういった内容は要らない──、
その考えも理解できないわけではない。

それでもここ数年Kindle unlimitedでステレオサウンドを見ていて気づいていたことは、
広告に価格を載せていないメーカー、輸入元が少なくないこと。

きちんと載せているメーカー、輸入元がある。
一方で載せないメーカー、輸入元がある。

些細なことだろうか。