2024年をふりかえって(その17)
別項「2024年ショウ雑感(その13)」で、土方久明氏をオーディオ評論家(仕事人)と書いた。
いまもそう思っている。
それゆえに土方久明氏の書かれたものを、楽しく読んだとか、
面白かったと感じたことはなかった。
いま書店に並んでいるアナログ vol.86で、
フェーズメーションのCM1500が取り上げられている。
土方久明氏が担当だ。
CM1500のことは、信頼できる耳の持ち主から聞いていた。
かなりいい、と聞いているもなの、私はCM1500の音は聴いていない。
ステレオサウンド 233号の新製品紹介記事でも取り上げられている。
こちらの担当は小野寺弘滋氏。モノクロで1ページでの紹介。
その文章は、あっさりしたものだ。
一方、アナログでの土方久明氏の文章からは、熱っぽさが伝わってくる。
おそらくだが、土方久明氏は本音で、このCM1500に惚れ込んでいるのだろう。
そのことが伝わってくる。
聴いてみたい、とも思う。
小野寺弘滋氏の文章では、そんな気持は湧いてこなかった。
ステレオサウンドと、音元出版のオーディオアクセサリーとアナログ。
どちらがどうとかは言わない。それでも時々ではあるが、
ジャーマン・フィジックスのHRS1300の記事でも同じことを感じていた。
ステレオサウンドでは山之内正氏、
オーディオアクセサリーは石原俊氏。
別項で、このことは触れているように、
山之内正氏の文章は、CM1500の小野寺弘滋氏の文章と同じだった。
あっさりしたものでしかなかった。
聴いた人が、そこでの音に何か感じるものがなかったのだろうから、
それ以上のことを、その文章に求めたところで肩すかしを喰らうだけだ。
それでもHRS1300の石原俊氏の文章、
CM1500の土方久明氏の文章が、一方にある。
ウエスギのU·BROS333OTLとともに、
今年の新製品で聴いてみたいと思ったCM1500である。